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2012年5月27日 (日)

ピースボートの実態ーーー75回クルーズでの実像

 1月24日出港の75回クルーズは、洋上で3,11を迎えることになった。日本各地でも大震災・津波犠牲者の鎮魂セレモニーと、福島原発事故を振り返り脱原発に向けた集会やデモが行われた。

 洋上でもこの日は特別な日と位置づけ、普通の船内企画をやめ、3,11関連の特別企画のみが行われた。2月17日ごろから船内新聞で3,11企画準備の集まりが報道されるようになった。

 その集まりに参加すると、ピースボートスタッフのYさんが「3,11には亡くなった方の慰霊祭と震災復興に向けたイベント、脱原発に向けた企画を準備したい。その企画を乗客の皆さんと一緒に作って行きたい」と説明された。

 僕は今年1月に脱原発世界会議をピースボートが横浜で開催した際、出席こそ自分の運動でできなかったが、小額のカンパを送っている。船内でいい企画をともに準備したいと、実行委員になった。

 何回か会合を重ねるうち、本当にやる気があるのか疑問がわいてきた。最初の会合で、「3,11後、寄港地に入港する時には脱原発バナー(横断幕)を船につけられるようにしたいね」、と夢を語っていたYさんだが、次第にトーンが下がってきた。

 「乗客の中には電力会社社員の家族の方も乗っておられるかもしれない。ピースボートが前面に立って反(脱)原発を乗客に押しつけることはできない」 Yさんの説明に驚いた。

 確かに船内企画に出席するかどうかは、乗客は自分の判断・好みで決める。実際、核兵器廃絶のため被爆者が船内で証言する企画には、大半の乗客は出席してくれない。水先案内人として乗船された韓国人被爆者の講演会でも、約900名の乗客中実際に出席したのは200人から300人ぐらい。それも回を追うごとに少なくなっていった。

 ピースボートに理念と理想があり、それに基ずく企画を船内でやるのはなんら問題ない。乗客は自由に行動している。関心が無ければ参加しない。4年前もそうだったが、マージャン、囲碁将棋、ダンス、スポーツ、おしゃべり、デッキで寝そべるなどなど、大半の乗客は硬い企画にそっぽを向き、クルーズを楽しんでいる。

 僕はそれはそれで良いと思っている。クルーズと海外旅行を楽しむために参加したのだから。ピースボートのほうも脱原発企画を用意するのも自由だと思う。原発推進の人が乗船してもそれは日本社会の縮図だ。彼らも対抗して自主企画をやればよい。

 結局、脱原発企画は3,11のチーム(当初実行委員会でやると言っていたが、知らない間に実行委員会は無くなっていた。乗客が主体なのかピースボートスタッフが責任者となるのか、はっきりしないチームが3,11特別企画を作るようになってしまった)では、やらないことになった。

 僕は福島原発事故の1年前にお金を払いこのクルーズに乗船した。本当は地域で浜岡原発再稼働阻止・永久停止・廃炉にむけた活動をやらねばならないが、キャンセルすればキャンセル料をとられるし、再稼働にはまだ時間があるので、活動仲間に申し訳ない思いを持ちながら乗船した。

 せめて船内で反(脱)原発活動をするのが自分の役割と、同じ思いを持った乗客らと自主企画を始めた。勉強会、小出裕明京都大学原子炉実験所助教のDVD上映会、脱原発署名活動、展示などなど。

 これらの企画にピースボートが応援してくれることはなかった。脱原発署名文と3,11福島集会に向けたアピール文を1,000枚船内で印刷するときにも、特別な便宜を図ってもらえなかった。「印刷するかどうかは東京と連絡をとってから決める」。ピースボート事務局長の返事に驚いた。結局印刷はしてもらえたが、印刷代5,400円は支払った。

 乗客の中に福島県から乗船されている方が6名いた。0さんご夫妻は熱心に一連の脱原発企画に取り組んでくださった。ピースボートは僕らの働きかけで、小さな企画「福島のお話を聞く」会を用意してくれたが、船内新聞での扱いは小さく、出席者は50人ぐらいだった。

 脱原発署名は677人の乗客が応じてくれた。これはとてもうれしかったが、原発と核、再生可能エネルギーに関係する企画に出席してくれた乗客は、平均して30名前後だった。

 
 

 

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コメント

船内における乗客の勝手な企画に、例えその企画がピースボートの意図する方向と同じとしても、ピースボートが特別な便宜を図ってくれると期待するのはどうなんでしょうか?ピースボートが特別な便宜を図る図らないの線引きが難しいですもの。限りあるコピー用紙を1000枚も使わせてくれただけで十分なような・・・。

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