観光・娯楽・心身充実のクルーズと本来のピースボートの分離を求める
僕はピースボートを全面的に否定する立場には立っていない。2回乗船して、その良さも人一倍理解している積りだ。個人的に知っているスタッフもおり、彼らのためにもなんとか改善してほしいとの願望が強い。
しかし現在の状態では改善が望めないのも知っている。はかない願望だが、見出しのように分離しか方法はないのではと考えている。
地球一周クルーズは今後も需要が望め、人気が高い。船内での企画も飛鳥Ⅱなどに比べ、色々多彩な自主企画ができる点が強みだ。食事もヘルシーで、中高年には極めて健康的である。料金も他と比べて安い。
思い切ってピースボートの看板を外し、心身充実・リフレッシュ・若がえり・退職後の休養・観光・娯楽、そしてクルーズそのものを楽しむ、本来のクルーズに特化したらどうだろうか。
低料金・低サービスが売り物の格安航空会社のようにジャパングレイスがなってはどうだろうか。ノウハウは蓄積している。問題は安心できる船の確保だ。
これまでのように水もれやエンジントラブルが起きない程度の客船は用意してほしい。豪華客船は他の会社に任せておけばよい。ホテルやレストランもランクがあるように、クルーズ客船にランクがあって当然。客は自分の懐と好みで選択する。
安心・安全・ノートラブルな船を確保するため、多少料金が上がっても需要は確実にあると思う。お金が無い若者の希望が減るが、これは仕方が無いと思う。宣伝や船内企画に協力する若者に対し、割引制度を活用すれば50名程度の若者が確保できるのでは。
一方、NGOのピースボートは本来の目的・趣旨・原点に立ち返るべきだと思う。ピースボートの看板で客を集め、トラブル続きのクルーズを続ける今のやり方は、ピースボートの看板を傷つけるだけだ。
僕は石巻での復興支援にピースボートが果たしている役割を評価している。多くの団体や若者を引き込み、まとめて支援活動を行うノウハウは、これまでの活動の蓄積が役立っている。9条世界会議・脱原発世界会議・地球規模での核兵器廃絶運動・非核地帯創設活動・地雷撤去活動・紛争防止など、ピースボートならではの活動は今後も継続・発展してほしいと願っている。
若者が世界を旅して見聞を深め、世界と自分を見つめる方法は、個人旅行のほうが収穫が大きい。便利になった世の中、その気になればいくらでも格安地球の旅ができる。過保護社会故に、一人旅で苦労させ体験を積ませるほうが現代社会のニーズにかなう。
洋上で勉強しながら紛争地や戦争の傷跡をめぐる、ピースボート本来の船旅を続けるなら、それ専門の船を出せばよいと思う。不登校や社会的ひきこもりの若者対象のグローバルスクールも、その船で開設すればよい。スタッフは無給のボランティアを募れば集まるだろう。
問題はやはり船の確保だが、沈没しない限りオンボロ船でいいのではないか。漂流や遅れ、水もれ覚悟で乗船してもらえば、乗客とのトラブルはありえない。オンボロ船の運命共同体で苦労を共にすれば、友情も深まる。
水先案内人は、原点に立ち帰ったピースボートに賛同してくれるだろう。有名人でなくてもよい。退職した大学教授やジャーナリスト、色々な分野の専門家が協力してくれるものと思う。
経費の点で無理に地球一周しなくても、アジア・南米・アフリカ・中東と地域を限定したクルーズにする方法もある。こちらのほうが、現地に長く滞在でき本当の交流や体験、勉強ができるだろう。
もしこのような船が出るのなら、無給のボランティアスタッフとして参加したい。団塊の世代に活躍の場を提供すれば、船長経験者や船員経験者、エンジン修理・メンテナンス専門家など、多彩な人材が将来の若者育成のため、ボランティアスタッフとして参加するだろう。
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