ピースボート75回クルーズ船内企画アースデーでスピーチ
飢餓・食糧問題を考える
僕も実行委員を務めたアースデー企画の一つ「地球を考える意見発表」で、以下のスピーチをした。インドに向かう漂流中だったので船内は極度に熱く、乗客の大半はグロッキー気味だったので、出席者は10数名ほど。スピーチの原稿をもとに、話した内容を再現したい。
人の幸せは食べられること
今日、明日の食べ物を心配しなければならないことほど、みじめで辛いことはない。普通の日本人、先進国や中流国の人々にはありえないことが、この地球上には存在する。食事をするとき、この現実をときどき意識することが大切だと思う。
例えば我が家の場合、息子夫婦や娘夫婦とよく食事会を持つ。時にはそれぞれの親も交えた食事会も。そんなとき、「ああ、こんなにごちそうを頂けるのは有り難い事ですね。世界には飢えで苦しんでいる人がいるのですよね」、とさりげなく話題にすることがある。
どうしたら食糧問題を解決できるのだろうか
① 世界の全ての国に、軍事費の1%をこの問題解決のために拠出させる国連の取り決めを作ったらどうだろうか。
軍事費に1億円使う国は100万円。100億円なら1億円。1000億円なら10億円。1兆円なら100億円。日本は約4,5兆円だから450億円。アメリカは約50兆円だから5000億円。
中国、ロシア、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、インド、パキスタン、イスラエル、中東の国々など、軍事費に多額の税金を使っている国が多い。1%でも、おそらく総額は8000億円以上になるだろう。
このお金が毎年国連に集まれば、飢えや飢餓で死亡する人が地球上からなくなるだろう。腹いっぱい食べられる喜び・幸せを、同じ地球人として共に味わってもらうことは、僕たちの喜びにもつながる。
② 恒久的な解決法・持続する食糧問題の解決法
A 全ての国の農民が自分の土地を耕して食べられるようにする
発展途上国や最貧国では、農民が自分の土地を所有していない場合が多い。大地主や外国企業が土地を所有し、農民は農業労働者。金が無いと食べ物を手に入れることができない。
最低限家族が食べていけるだけの食糧を自分で生産できれば、飢えの心配は無くなるだろう。そのために国連が食糧援助を受ける国に対して次の取り決めを決めてはどうだろうか。
戦後の日本のように、農地解放をうながす。小作民や農業労働者が自分の土地を持てるようにする。外国企業の農地所有を法律で禁じる。食糧援助を受けている間、武器の購入を禁じる。軍事費よりも農業にその国の税金を使うよううながす。
またそうした国に武器や弾薬を売ったり、援助することを国連が禁じる。
B 水のインフラ整備支援
農業は水が命。水さえあれば、砂漠も緑の大地に蘇る。セネガル、エジプトを訪れてそれを体で知った。セネガルは暑かった。乾燥しきった大地はペンペン草やかんぼくが生えているだけ。これでは農業はできない。
しかし水があるところは緑に覆われ、作物が成長していた。エジプトはもっとそれが大規模に見られた。ナイルの水がいきわたる大地は、広大な農地。一方、農業用水が引かれていない土地は、不毛の砂漠。
アフガニスタンでもペシャワール会の中村哲医師たちが、農業用水の整備に力を入れている。難民キャンプの住民たちが村に帰り、農業ができるようになってきた。
軍事費1%で、食糧援助とともに水のインフラ整備、それに植林事業をやれば、恒久的な食糧問題の解決につながるだろう。
C 人的支援
有機農業などの農業技術、井戸掘り・農業用水路作りの技術、ポンプ・小型発電機修理技術などなど、単にボランティアを越えた人的支援を行う。
D 軍人を平和部隊にして、支援に送り込む
言葉、農業技術、インフラ整備、植林、医療、衛生、比較文化・教育など、高度な専門教育・訓練を受けた軍人を、軍隊から独立した平和部隊として送り込んではどうだろうか。
もちろん丸裸。武器は一切持たない。東日本対震災で活躍したように、生活自己完結能力を持つ組織は、砂漠や困難な土地でも自前で生活し、支援を続けることができる。
10%の軍人を平和部隊にした国は、その分国連に出す1%の金を減じるようにすれば、専門家集団の平和部隊が増えると思う。
彼ら・彼女らは世界に貢献するエリートとして、国の内外で高い評価を得るだろう。若者の雇用にも役立つ。
以上のようなことをスピーチした。その最後に僕は、この夢を夢で終わらせないないように、帰国したら投書やブログでこの構想を発表したい、できれば政治家に働きかけたいとも話した。
ようやくブログに書くことができたが、まだ投書や政治家への働きかけはしていない。いつか、宿題を果たしたいと思っている。
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池辺です。
提案全てに賛成!! 国連にもって行き、提案したいですね。世界中の国で諮れば、OKになるかもね。拒否権できる常任理事国なんていらないよ。どの国も平等に並ぶべきです。
国連に提出するよう働きかけましょうよ。世界を良くする為の大方針が現代には必要です。
人はすべて幸せになるために生きているのです。 ハルマゲドンで絶滅する為ではないはずです。
今年もすてきな企画できたら見にいきます! ^^
投稿: 池辺幸惠 | 2012年7月 7日 (土) 11時48分