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2014年9月

2014年9月29日 (月)

東京での脱原発・川内原発再稼働反対集会参加報告

9月23日、東京亀戸で行われた集会に参加した。

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 人、人、人。16,000人が参加。テング熱騒動で会場が代々木公園から亀戸に変更、主催者もさよなら原発1団体になったが、熱気を感じさせる集会だった。

 静岡の僕たちは、会場にブースを出店し、浜岡原発再稼働を認めないでと県知事に要請する署名活動を行った。

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 約1、200人の署名が集まった! さすが意識の高い人が集まっているだけあって、自ら進んで署名をしてくれる人がほとんど。

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 希望の牧場の吉澤さんも来ていた!

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 デモ(パレード)に全ての人が出るのに約1時間。静岡県でもこのようなデモ(パレード)を来年是非実現したいと思った。

2014年9月27日 (土)

シリーズ「戦争と平和を考える」 15 とりあえず最終回 イスラム国

 戦争と平和を考えることに終わりはないが、他に書きたいことがたくさんあるのでとりあえず今回で最終回としたい。

 

 『イスラム国への空爆は泥沼の戦争とテロを引き起こし、問題の解決にはつながらない』

 オバマ大統領は愚かな選択をした。イラク・アフガニスタンから軍隊を引き揚げることを公約に登場した彼も、結局はアメリカの産軍共同体の力と選挙対策で、歴代大統領と同じ「強いアメリカ? 決断力ある指導者? 」 をアメリカ国民に示すために、イスラム国への空爆に踏み切り、世界を不安定にさせつつある。

 自国だけでは自信がないので、イギリス・フランス・サウジアラビア・カタール・アラブ首長国連邦などを戦争に協力させ、また国連を舞台に他の多くの国に支持と理解・協力を取り付けようと工作している。

 「イスラム国」、正確には国ではなく武装集団と呼ぶべきだが、彼らがやっていることは誰も支持できない。イスラム教の信者にとってさえ、恐怖の集団であるのは事実だと思う。テレビで流される処刑の映像(首を切るシーンはカットされている)はおぞましい。

 しかしこうした狂信的集団を空爆で根絶することは不可能である。すでにシリア・イラクでは民間人が巻き込まれ、空爆の犠牲者が出ている。やればやるほど、罪のない子どもや女性・老人が犠牲となり(何の補償・謝罪もない)、それが空爆する(この戦争に協力する)国への憎悪を呼び、その国の市民がテロの被害者となる。

 悪と恐怖・死・悲しみ・怒り・破壊・報復の連鎖が、延々と続くだけ。問題の解決どころか、問題を複雑にするだけである。

 喜んでいるのは、にたりとほくそ笑んでいるのは、軍需産業とそれにつながる死の商人、実戦で兵士を鍛え・戦闘機やミサイルの性能を試し・さらに技術と性能の向上を図りたい軍の幹部だろう。

 シリアのアサド大統領もほくそ笑んでいる一人だ。自国領への支配地を広げている敵を、自分の退陣を迫っているアメリカなど欧米諸国が攻撃してくれるのだから。

 正直僕には、「イスラム国」にどう対処してよいのか分からない。ただ自信を持って言えることは、介入しないこと。

 アフガニスタンでタリバーンが政権を取り、色々な人権侵害が起きた。カンボジアではポルポト政権が凄まじい同胞への虐殺をした。アフリカの国でも内戦で、幾多の悲劇が繰り返し起きた(今でも起きている)。

 いわゆる先進国(欧米)は、ある時は人道支援という名目や世界平和のためと称して軍事介入し、ある時は目をつぶる。目をつぶるのは、介入のメリットがない時であるが。。。

 他国に軍隊を送って、その国の要請もないのに空爆(戦争)をするのは、国際法違反である。要請があっても、その政権が腐敗し、自国民を弾圧・殺戮しているなら、手を貸すべきではない。

 ひよみりとみられても、長い目で見れば、他国の紛争にちょっかいを出さないのが、懸命だと思う。

2014年9月25日 (木)

シリーズ「戦争と平和を考える」 14 沖縄・辺野古で考え・体験したこと その6

『この基地ができたら、日本が変わる』

 270メートルの岸壁を持つ軍港とセットになった辺野古新基地建設を許したら、将来日本がどう変わるだろうか?

 何度も指摘してきたが、この基地は海外への出撃拠点になる。最初は米軍の。そのうちに日米共用となり、自衛隊がオスプレイの訓練に使用。やがて日本版海兵隊が創設され、米軍のグアム移転や縮小に伴って自衛隊が本格的に使用するようになるだろう。

 今米軍はイラク・シリアの「イスラム国」の拠点を空爆している。その大義名分は集団的自衛権と個別自衛権だ。イラクの要請でイラクを攻撃する「イスラム国」と戦争するのは集団的自衛権であり、アメリカ人2人を殺害し、イラク・シリアにいるアメリカ人を守るのは個別自衛権という理由で。

 安倍政権は憲法改正を経ずに集団的自衛権行使ができるよう、来年の通常国会でいくつかの関連法を通そうとしている。また今回のシリア空爆には”理解”を示している。

 国会で関連法が通り、自衛隊が集団的自衛権の名のもとに米軍と共に戦えるようになれば、辺野古新基地から中東に出撃するかもしれない。

 イラク・シリアの「イスラム国」過激派を掃討するのは、空爆だけでは不可能である。当面は空爆に頼るが、やがて泥沼の地上戦となるだろう。その時、必ずアメリカは日本に集団的自衛権の行使≒参戦を迫るだろう。

 キャンプハンセンには都市ゲリラ制圧用の訓練場がある。そこで訓練を受けた自衛隊員と自前のオスプレイ、武器弾薬を輸送艦「おおすみ」に乗せて、中東の戦場に向かう日が来ることを恐れる。

 そうなったら「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と定めた憲法9条は、完全に死滅する。日本の国の在り方が根本的に変わる!

 それを普通の国になったと喜ぶ人々と、無力感・挫折感に打ちひしがれる人々に日本は分解するだろう。

 全体そうならないよう、今、やるべきことがたくさんある! 後で後悔しても始まらない。

 

2014年9月22日 (月)

シリーズ「戦争と平和を考える」 12 沖縄辺野古で考え・体験したこと その4

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 辺野古の浜に基地建設賛成の右翼の人々がやってきた! 9月7日(日)、彼らはマスコミにも事前に情報を流し、僕たちのテントのそばまでおしかけてきた!

 安次富さんによると、以前彼らにテント内の掲示物を破られたことがあるそうだ。またこちらの人数が少ないと、平気でテント内にも入ってくることもあったそうだ。

 そこでこの日は山城平和運動センター議長をはじめ多くの人たちが、右翼の攻撃からテントを守るために集まった。

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 右翼の様子を見ながらマイクをもって話しているのが山城さん。

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 右翼帰れと叫んでいる。大勢の人々が集まったので、彼らは何もできなかった。

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 僕はこの人たちはどんな人だろうか興味を持ったので、かなり近づいて観察した。大半は本土から来たと思われる50代以上の人たちだった。わずかに若者もいた。一人一人の顔には、生気がない。自分たちの行動に自信と夢がないからだと思われる。

 リーダーらしき人が、「あなたたちは中国から金をもらってやっているのだろう」と、しきりに中国の脅威を強調しながら、米軍の抑止力の必要性を説き、基地建設に反対する者は中国の回し者と演説するのには笑ってしまった。

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 右翼が来るというので、オーストラリアのジャーナリスト・ジェーンさんが来てくれた。

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 左の女性は通訳のジェリーさん。

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 若いお母さんが僕たちの心を和ませてくれる歌を歌ってくれた。後ろで水遊びをしているのは彼女の子どもたち。

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 森の映画社の影山あさ子監督。彼女は7月からずーと辺野古を取材し、カヌー隊やゲート前行動の様子をカメラに納め、ひと月ごとにdvdにまとめている。僕も「速報辺野古のたたかい 2014年8月」dvdを1000円で購入した。やがて映画にまとめるそうだ。

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 安次富ヘリ基地対策協議会共同代表の挨拶。元気が出る安次富節を2か月ぶりに聞いた。

2014年9月21日 (日)

シリーズ「戦争と平和を考える」 12 沖縄・辺野古で考え・体験したこと その4

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 キャンプシュワーブゲート前では連日上の写真に示す抗議行動が行われている。平日だから60代以上の人が多いが、中には学生や若者もいる。土曜日は家族連れも多い。この写真は11日(木)午後撮影。

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 金網の向こう側は基地。うれしいことに静岡県からのメッセージが届いていた。下の「子どもたちに美しい海を残そう」のバナーも静岡県の新婦人の会のもの。

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 僕がいた間、米軍の水陸両用車の訓練が頻繁に行われていた。ウミガメが産卵に上陸する砂浜をキャタピラで踏みつぶし、ジュゴンが生息する海を真っ黒い黒煙と爆音を出しながら、米軍はこの土地と海・空を我が物顔に訓練している。

 この光景を見たら、「おかしい! ここはアメリカか? 一体いつまでこのようなことを許すのか!」、と誰でも疑問と怒りがわく。

 今日(21日)の新聞報道によると、この辺野古浜に20日5500人の人々が集まり、新基地建設反対・埋め立て阻止を誓った。バスは67台。稲嶺名護市長、翁長那覇市長も挨拶。オール沖縄で取り組まれた。

 沖縄の民意は明らかである。政府が強行すればするほど、怒りのマグマがたまり、爆発するだろう。

2014年9月20日 (土)

シリーズ「戦争と平和を考える」 11 沖縄辺野古で考え・体験したこと その3

 菅官房長官の「辺野古移設の問題は過去のこと。知事選に関係なく、工事を進める」発言

 沖縄タイムス・琉球新報に大きく上記の発言が報道されて、大きな違和感を抱いた。ここ沖縄では連日辺野古移設工事を食い止めるための闘いが続いている。毎日キャンプシュワーブゲート前に、100人から200人が集まり(時にはそれ以上の日もある)、また辺野古浜のテントには沖縄・本土から激励・応援の人たちがひっきりなしに来ている。

 そして僕たちカヌー隊と抗議船団は海保の暴力と闘いながら、ボーリング調査中止を訴えている。

 それなのに、仲井真知事が埋め立てを承認して工事が進行しているのだから、もうこの問題は終わった、今更反対しても政府はどんどん新基地建設を続けると、明確に宣言したのだ。

 ここには沖縄の人々への思いは一切見られない。県民の8割が今なお反対し、11月の知事選で翁長さんが勝利して民意がはっきりしても、それを無視して工事を進める政府の意思を示したのだ。

 本土では全く通用しないことを、沖縄では平気でやる。ここには民主主義のかけらもない。独裁主義と何ら変わらない。

 僕は沖縄の人々はどのような気持ちでこのニュースを聞いたのか、痛いほど察しが付く。沖縄差別。

 今沖縄ではだからこそ沖縄の民意をはっきり示そう、知事選で仲井真に大差をつけて新基地建設反対の知事を誕生させようと、保革を越えて選挙の準備が進められている。安倍政権にNOを突きつけるための努力が進められている。

2014年9月18日 (木)

シリーズ「戦争と平和を考える」 10 沖縄辺野古で考え・体験したこと その2

 海上保安庁の暴力と無法行為

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 上3枚の写真は、9月11日辺野古大浦湾、海保の浮桟橋近くで撮影。実はカヌー隊に志願し8日から13日まで海に出たが、カメラをもって海に出たのはこの日だけ。転覆したり、波しぶきをかぶってカメラがダメになるのを避けるためだった。

 この日は”らぶこ”という船に乗せてもらい、マイクで海保の職員に抗議と説得をするため、カヌーには乗らなかったのでカメラで撮影することができた。

 暴力行為や違法な決定的瞬間の写真は撮ることができなかったが、我々の仲間5人が海保のゴムボートに身柄を確保され、船に乗っている僕らには見えないところで(ゴムボートで隠すようにして)、犯罪者のように一人一人の顔写真を強引に撮られた!

 中にはサングラスを取られ、帽子を力づくで脱がされ、うつむくと髪の毛を引っ張って顔をあげさせられ、写真を撮られた女性もいる。

 9日には、カヌー隊の学生が海保の職員2人に海に沈められたうえ、ゴムボート上でも首を絞められ、メガネを壊されたうえ、あごの骨の捻挫全治2週間のけがを負わされた。

 8月にはゴムボート上で海保の職員が馬乗りになり、あまりにも強い力で押さえつけられたので、頸椎捻挫の負傷を負った暴力事件が発生している。

 この事件は弁護団が刑事告訴し、検察が受理、今起訴すべきかどうか検察庁で審理が行われている。

 13日には僕が見ている前で、異常で違法な行為があった! 立ち入り禁止海域(これ自体根拠がないが)でもないところで、僕らの仲間の船に海保が3人乗り込み、ある人を無理やり暴力的に連れ去ろうとした。

 襲われた彼は船の手すりにしがみ付き、船に乗っている仲間が助けに入って、事なきを得たが、むちゃくちゃなことが洋上で行われている。あとで聞いたが、別の船では海保が乗り込んできて船のカギをぬかれた。カヌーを乗り越えて進むゴムボートもあった。全くの危険行為である。

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 やぐら状のものはボーリング調査を行っている「スパッド代船」。この海域が埋め立てられる。海保はこのスパッド代船を守るために、違法・無法な行為を重ねている。

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 黒いのは全て海保のゴムボート。本来海上保安庁の仕事は、海難救助・海の安全である。しかしここ辺野古では、小さなカヌーに乗っている人間にとって危険きわわりない存在である。

 マイクで彼らに訴えたが、結果として海保は『海を殺し、海の生物の生きる場を奪うことになる米軍基地建設に貢献し、米軍の犬の役割をしている』。

 

2014年9月17日 (水)

シリーズ「戦争と平和を考える」 9 沖縄辺野古で考え・体験したこと その1

 15日に沖縄辺野古・高江から戻った。昨日は浜岡裁判の控訴審が東京高裁であり、ブログの更新ができなかった。今日も浜岡原発反対運動の関して、大学の先生方の調査・聞き取りに参加するので、ゆっくり書くことができない。

 簡単に闘いの現場・辺野古で「戦争と平和」について感じたこと・考えたことを書きたい。辺野古の現状はある意味戦争の現場に近い。水陸両用戦車がほぼ毎日軍事訓練をしている。11日には、辺野古浜の沖合に巨大な輸送艦が現れた。

 山城博治さんがあれは海自のおおすみ(ヘリ空母となりうる輸送艦)といったが、あとでわかったことだが米軍の輸送艦だった。オスプレイや強襲上陸艇(エルキャック)、水陸両用戦車・兵士を戦場まで運ぶ船だ。

 威圧感を感じる。カヌーに乗っているときには、上空をオスプレイが旋回。さらに海上保安庁の大型巡視艇4隻も、我々には圧迫感を与える。

 海保のボムボート10数隻と海保の隊員70名ぐらいも、カヌー隊にとっては脅威である。まさに襲ってくる。暴力を加える。

 この現場にいると、平和のための抑止力・米軍基地・新基地建設のウソがよく理解できる。

2014年9月 6日 (土)

シリーズ「戦争と平和を考える」 8 平和を守る方法/中身

 『平和を守る方法・その手段・中身』

 このシリーズのトップに誰しも「平和が大切・平和を守ろう」という、と指摘した。パレスチナ・ガザを無慈悲に攻撃するイスラエルの人々も、イラク・アフガニスタン戦争を支持したアメリカの人々も、安倍晋三首相や軍備増強・辺野古新基地建設を容認する全ての政治家・官僚・財界人も、平和を唱える。

 長崎・広島原爆慰霊祭においても、核兵器容認(核抑止論を認める)の人々が、平和の大切さを語る。

 敗戦(終戦)記念日戦没者慰霊祭においても、全ての人々が戦争の悲惨さ・平和の大切さを語る。

 靖国神社に参拝する閣僚・政治家も同じことを言う。こうした政治家を支持する人々・投票する人々、中国北朝鮮の脅威をあおり・自衛隊増強を支持するマスコミ、御用学者・テレビコメンテーターも同様だ。

 問題は『平和の中身』だと思う。言葉に騙されてはいけない。目の前で戦争が起こり、女性や子供・老人・市民が殺戮されているとき、ただ平和を唱えるだけでよいのだろうか? 戦争指導者の唱える「平和」の内実を追及・検証しなければならない。

 間違った戦争をやめさせるため、考えられるあらゆる手段で「戦争反対」を訴えることが、『平和を守る』ことだと思う。

 今日本で『平和』に関係する最も大きな問題の一つが、辺野古新基地建設を容認するのか・反対・阻止するのか、である。

 憲法を守ろうという人々、9条の会に入って積極的に平和運動をしている人々も含めて、目の前できれいな海を埋め立て米軍基地を作ろうとしているのを、それを阻止するために辺野古で頑張っている人々にたいして、ただ口先で『平和』を唱えているだけでよいのだろうか?

 現実問題として、思いがあっても生活・仕事があり、行動に移せない人は多い。しかし関心を持つ・新聞に投書する・おかしいマスコミや政治家にメールやファックス、はがきで抗議する、電話する・集会講演会に参加することなどは、その気になればできる。

 家族や友人・知人に、「ジュゴンが住む辺野古の海・サンゴ礁のきれいな海を埋め立て、アメリカの軍事基地を自分たちの税金で作るなんておかしいわね」と、話しかけることは誰でもできる。

 僕は今日(6日)から15日まで、辺野古・高江に行き、沖縄の人々と共に現場で『平和を守る』行動に参加する。

 退職して本当によかったと思う! 時間がある。行動に制約されない! 団塊の世代の人たち=退職者たちはこぞって沖縄に行きましょう!

2014年9月 3日 (水)

シリーズ「戦争と平和を考える」 7 日本の戦争責任 パート2

 『天皇の戦争責任』

 日本が台湾・朝鮮を植民地支配し、満州国をでっち上げ、中国大陸・南アジアに侵略、アメリカ・イギリス・オランダなど欧米諸国とも戦争をした時の最高責任者は、天皇裕仁であった。

 大日本帝国軍隊の最高司令官は天皇である。戦前の日本を統治するトップは天皇である。それは憲法にも明記されていた。当時の国民は「天皇の赤子」とされ、「天皇のため闘う」ことを教育された。

 兵士が誤って小銃を破損しようものなら、「天皇から賜った武器を、貴さま大事にしないのか!」、と上官から殴るけるの暴行を加えられるのが常であった。

 戦争末期の玉砕戦では、「天皇陛下、万歳!」と叫んで、兵士は突撃していった。かつての戦争は、「天皇の名前」で行われたのは、まぎれもない歴史的事実である。

 降伏も天皇の名前で受諾した。

 個々の軍事作戦には天皇が関与しないケースが大半であるが(戦争犯罪となるようなむごたらしい行為はなおのこと)、だからと言って最高責任者が部下の行為は自分には関係ないと知らぬ存じぬはあまりにも無責任である。

 僕たちの国は、天皇の戦争責任をあいまいにしてしまった。極東軍事裁判でも、日本占領・統治をうまく進めるために、天皇の戦争責任は不問にされてしまった。

 ここに今も続く「過去の清算」「加害を認め、被害者に国家として謝罪し補償する」ことがきちんとできない根本的理由があると思う。

 最高責任者が責任を取らないのだから、その「赤子」とされた戦争指導者たちの責任もあいまいなものとなる。戦犯として処刑された人々に同情の念がわくのも自然である。

 

2014年9月 1日 (月)

シリーズ「戦争と平和を考える」 6 日本の戦争責任

 『戦争責任をあいまいにすることから、なし崩し的に戦争への道が始まる』

 「南京虐殺はなかった」、「軍慰安婦の強制や国の関与はなかった」、「沖縄戦での日本兵による住民殺戮や集団自決に軍の関与はなかった」、「教科書にそうしたことを掲載するのは自虐史観であり、子ども達に日本人としての誇りをはぐくむことを阻害する」、「朝鮮半島や台湾における植民地支配は、マイナス面だけでなく鉄道などのインフラ面で現地に貢献した」、「創氏改名は朝鮮人が望んだ」と、戦争責任を否定する論調が大きくなってきた。

 教科書や各地の博物館(資料館)でも、日本の戦争責任につながる歴史的事実を掲載しない、表現をあいまいにする、分量を極端に小さくする動きが強まっている。

 極東軍事裁判は戦勝国の一方的な不公正な裁判であり、東条英機以下7名の絞首刑は戦勝国の報復である。彼らを国のために忠義を尽くした英霊として靖国神社に祭るのは当然である。お国のために命をささげた英霊に感謝をささげるため、靖国神社に首相以下国務大臣・政治家が参拝するのは自然な感情である。

 それを非難する中国や韓国はとんでもない。「いったいいつまで過去の戦争責任をあげつらうのか」、と中国や韓国のマイナス面ばかりを指摘する学者・政治家・文化人・テレビコメンテーター、そしてその論調を派手に取り上げるマスコミと、最近の日本は20年前、30年前では考えられない状況になっている。

 これを時代の変化と見過ごすことは、戦争への道につながると憂慮している。この危険な流れは、一部の右翼政治家・学者だけでなく、社会の流れ・空気になりつつある。

 この「戦争と平和を考える」シリーズ 1 で、誰でも平和を唱えると書いた。戦争責任を否定する人たちも、平和の大切さは強調する。平和のために靖国神社にお参りして、戦没者・英霊に感謝のお祈りをするという。

 近年若者がこうした論調・流れ・空気の影響を受けている。ネットでその動きが大きくなっているだけでなく、靖国神社に参拝する若者が増えている。選挙でも自民党・維新の会など保守政治家に投票する傾向がある。

 今の日本の人口構成は、戦後生まれが三分の二となっている。戦争を知らない世代が政治・経済・社会の中心である。過去の日本軍が犯した数々の残虐行為・人道に反する行為、国家が犯した間違に対して、直接的には戦後世代に責任はない。

 しかし自分の国が犯した罪・間違いを知らない、否定するなら、世界の国々特に侵略戦争の被害となった国々の人々と、本当の平和な関係を作ることはできない。

 次回は「日本の戦争責任」パート2 で、なぜ戦争責任があいまいなのか、きちんと過去の清算が行われないのかについて書きたい。

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