原発災害避難計画 袋井市の状況
浜岡原発を考える袋井の会では、市当局と市民に、原発事故に対処できる完璧な避難計画など立てられない、止めておく・永久停止・将来的には廃炉が一番安全であることを悟ってもらうために、市の防災課と避難計画についての話し合いを続けている。
下記の文章は、10月25日、牧之原市で行われた第8回UPZ市民交流会で報告したもの。
袋井市の原発事故避難計画策定の状況
*9月26日、10月24日、市防災課、出口防災監ならびに担当職員との話し合いを実施。
1.袋井市の広域避難独自シミュレーション 9月12日公表 新聞報道あり、9月議会説明
①全市民8万7千人(31,800世帯)が天竜川西岸に避難するのに、約11時間。
②その前提。1世帯1台の車。1時間に3000台毎出発。かささぎ大橋、東名高速、浜北大橋、
新東名の4コース。自治会単位。PAZ避難の後。
③老人ホーム、病院、障害者、車を持たない世帯は考慮せず。
④11時間はPAZが避難した後、袋井市民が避難に要する時間。待機時間から計算すると、事故が起きて29時間25分後に天竜川を越える。(県の試算)
2.どの県・市町に避難するのか、避難先の具体的な場所は、県が調整中であり、分からない。
単独災害では愛知県方面。複合災害では北陸を想定。
3.平日授業があるときは、児童・生徒は家に帰す。「放射能災害では急な避難はない」
4.避難時の食料・水の確保は、3日分は避難先の自治体で用意するという条件で考えている。
5.スクリーニングの機器は20個あり。(県から貸与。線量計。職員でも計れる。一人3分かかる。)大型の機械なら一人30秒。しかしその機材はもっていない。
6.ヨウ素剤は役所が備蓄。事故時には自治会単位に配布する。
7.策定に向けて今後の予定。県から避難先の知らせがあれば、相手自治体に赴いて、自治会単位での具体的な避難所などを相手側と協議。年度内(来年3月末)に出来ればと考えている。避難計画策定は来年度になるだろう。
また10月24日、下記の要望書を市長と防災監あてに出した。
2014年10月24日
浜岡原発を考える袋井の会 代表 松倉次郎
原田英之袋井市長様
出口防災監様
原発事故避難に関わる要望書
1. 養護老人ホーム等福祉施設や病院、保・幼・小・中学校、在宅要援護者・障害者の避難のための輸送手段は、行政が責任をもって確保してほしい。
2. 上記災害(避難)弱者の避難先は、行政が責任をもって優先的に確保してほしい。
3. 緊急避難の必要が生じた場合、保・幼・小・中の児童生徒の避難は、保護者が個々に迎えに行くと交通渋滞や大混乱が予想される。行政があらかじめ決められた避難先に送り届ける体制、及び保護者が定められた避難先に迎えに行く体制を作ってほしい。
4. 18歳以下の子ども達が緊急避難を要する事態では、ヨウ素剤を早く服用させる必要がある。
学校にヨウ素剤を備蓄して、服用方法の研修を受けた先生方が児童生徒に服用させる体制作りを検討してほしい。
5. 原発事故避難計画は、避難を強いられる福祉施設や病院等、また自治会や住民の理解と了解がなければ、机上の空論にすぎず万が一の時機能しない。正式な策定の前に、各施設や自治会単位の説明会を開き、疑問や要望を反映した避難計画を策定してほしい。
* 鹿児島県川内原発のように、机上の空論に過ぎない・実効性がない避難計画で、再稼働を認める状況にならないため、あの手この手で、避難計画の問題点を明るみに出していきたいと考えている。
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