11月27日 公開質問書への県の回答報告
文書回答ではなかったので、正確な報告ではないことをお断りします。白石さんが録音してくれたので、録音の掘り起し作業が終わったら、白石さんから正確な県の回答が報告されると思います。 メモを取る時間がなかったので、記憶に残っていない箇所や、正確に報告できない箇所があることを了解してください。回答は杉浦邦彦原子力安全対策課長。彼はメモを読みながら約20分程度回答。その後、参加者から質問。そのやりとりでわかったことも、僕の報告には回答の中に入れてあります。
1. 広域避難シミュレーションについて
① 地震・津波災害と原発災害との複合災害では、道路の隆起・陥没・冠水・液状化や、倒壊物・火災等による通行阻害、橋の滑落・破壊や斜面崩壊等による、通行阻害が不可避です。静岡県第4次地震・津波被害想定等を踏まえた現実的なシミュレーションが必要ではないですか。
② 地震・津波災害と原発災害の複合に留まらず、大規模災害発生直後には大量の粉じん発生に起因する異常気象災害(集中豪雨・発雷・突風災害など)や富士火山噴火災害との複合も考慮する必要があるのではないですか。
③ 自家用車を持たない・運転できない世帯や災害弱者(入院患者・福祉施設入居者など)の避難を考慮に入れていないのは、災害弱者の切り捨てではないですか。
④ 自家用車での避難を想定しているが、走行中地震にあった際には車のかぎをつけたまま徒歩で避難する指導指針との矛盾をどのように考えていますか。
回答 ①②③④に答えるのでなく、まとめての回答で答えになっていない。シュミレーションは避難計画策定の前提ではなく、あくまでも津波・原発災害が同時に発生した場合、どれぐらいの時間で逃げられるのかの参考に過ぎないとの説明。
2. ヨウ素剤の配布体制について
① 31キロ圏内市町への指導の内容(戸別事前配布か拠点備蓄か。服用規準と服用指導など)はどうなっていますか。
回答 今年、31キロ圏内40歳以下の住民にいきわたるよう配布済み。5キロ圏内は個別配布、それ以外は拠点配備。40歳以上や31キロ圏外への対応は現在ではできていない。
② 屋内退避中の児童・生徒に誰が責任をもって配布し、服用させるのですか。
回答 無し
③ ヨウ素剤は県または国から補助金が出るようですが、UPZの指定された地区しか補助金が出ないのですか。
回答 UPZ圏外は補助金は出ない
3. 災害弱者(病院入院者、介護施設・福祉施設入居者、障害者、在宅要援護者、車を持たない・運転できないお年寄り世帯など)の避難先・避難方法について
① 関係施設・機関が避難先と避難手段を確保しなければならないのですか。
回答 関係施設と県・自治体が協力して確保する
② 車を持たない・運転できない高齢者や障害者、在宅介護要支援者を抱える世帯の避難を、誰が責任を持って、どこへ避難させるのですか。
回答 施設の人々に対しては県がバスの手配をしなければと考えている。(しかし、具体的な避難先などの説明は無し)自衛隊に依頼することもありえる。在宅の要援護者の数は県として把握し ていない。
③ 在園・在校中に緊急避難事態となった場合の、保・幼・小・中・高の児童生徒の避難の責任は誰が負うのですか。(施設管理者か、保護者か、当該施設の長か、避難指示者か。
回答 明確な回答なし。質問の中で、在校中の事故の場合、保護者が会社を離れ迎えに行くことになるので、会社の理解など社会的な影響がある、教育委員会とも協議する必要ありとの説明があった。
④ 災害弱者の避難先確保は誰がするのですか。(各施設か、各市町と避難先市町との協議か)
⑤ 老人ホーム・病院等の避難先が具体的に決まっているところがあれば教えてください。また、確保できない場合はどうするのですか。
回答 ④⑤への言及はなかった
4. 広域避難以前の屋内退避について
① 巨大地震・津波災害発生、家屋倒壊・損傷のため建物の気密性喪失という条件下で、屋内退避できる健全な施設はあるのですか。また、通報手段なしという条件下では、各施設・家庭での屋内退避の指示と連絡、解除と31km圏外への避難指示は誰がどのように行うのですか。
② 屋内退避から広域避難への変更が指示された場合、移動手段はどうするのですか。
③ 各施設への迎えのバスを手配する場合、UPZ圏内全体で何台必要ですか。その手配は誰がするのですか。
回答 ①②③への具体的な回答は無し。屋内退避は避難の重要な一部との認識を表明。
5. スクリーニングについて
① PAZ+UPZの住民約94万人のスクリーニング(除染を含む)をどこで、だれが主体となり行うのですか。これが決まらなければ、関係市町の避難経路も確定できません。確定の時期はいつごろですか。
回答 スクリーニングは東西つまりupz圏内の東と西側を考えているが具体的な場所は言えない段階である。他の質問への回答は無し。
② 94万人のスクリーニング(除染も含む)を行う体制(機器・機材・人員)はそろっていますか。その費用はどこが負担しますか。
回答 無し
③ スクリーニングに中電はどのように関わるのですか。中電の責任と必要機器・資材の準備と費用負担に関して中電と協議すべきではないですか。
回答 機材や人材に関して、中電の協力は必要であり、その要請はしている。
④ スクリーニング(除染を含む)に必要な時間は、一人・一台の車に平均何分と予測していますか。
⑤ 広域避難にはマイカーの除染が必要ですが、その対処方法をどのように考えておられますか。
回答 ④⑤への回答は無し
6. スピーディーの測定値の公表はしないとのことですが、放射能拡散方向の予測をどのように行うのですか。またその情報をどのように正確・迅速に伝えるのですか。
回答 各市町に設置してあるモニタリングポストと移動モニタリング車(2台)を活用する。スピーディーは参考情報として活用することになるだろう。
7. 原発事故による避難生活は長期化します。長期にわたる食料・飲料水などを含む生活必需品の確保・配布は誰が責任を持ちますか。
回答 国・県・受け入れ市町になる。最終的には国が責任を持つ。後の質問への回答で、
受け入れ先には1か月を前提に依頼している。それ以降はホテルや旅館、また仮設住宅と
なるだろう。
8. 原発重大事故時の広域避難はPAZ優先、その後UPZ屋内退避後の段階的避難となっていますが、重大事故時には数時間でUPZ圏内も放射能で汚染されます。94万人の住民が被曝することなく、避難できると考えていますか。
回答 UPZ圏内は被ばくを前提に考えている。後の質問への回答でも、国も被ばくを前提に
考えていると説明した。
9. 本年8月15日、静岡県は避難計画の策定を支援するため共にワーキングチームを作る内閣府の担当者から、避難者受け入れを打診していた関東甲信、北陸,東海地方の11県(東京を除く)から正式な報告を受け地震・津波・原発の複合災害時は、埼玉・群馬・長野・富山・石川・福井の6県で約130万人、原発災害のみの場合は、神奈川・山梨・愛知・岐阜・三重・滋賀の6県で約130万人の受け入れ可能との報道がありましたが、静岡県・県内関係市町と受け入れ先県・市町村とのマッチングは確定しましたか。また、行政機関の避難先確保も考慮されていますか。
回答 滋賀県への依頼はしていない。受け入れ先の大筋(大体)は確保しつつあるが、まだ交渉
中であり、公表できない。後の質問で策定のタイムスケジュールは?との問いに対し、今
年度中に避難先を確定し、全体の避難計画策定は来年度早い時期を目標としたい。(中電
は工事完了を2年後に先延ばししたことに触れ、時間的ゆとりがあると示唆)
10.各市町の避難ルートはどうなっていますか。
回答 避難先が確定していないので、ルートは未定である。
11.段階的に避難となっていますが、具体的にはどのように考えておられるのですか。
回答 3000世帯ごとの段階的避難を考えている。こうすれば、車で平均2時間で31キロ圏
外に出られる(車に乗っている時間が2時間という意味)。
12.ガス欠で避難できない、途中立ち往生する車も考えられます。ガソリンの補給体制はどうなっていますか。誰がどういう方法で補給するのですか。
回答 検討中である。
13.UPZの範囲指定は、焼津市は全域だが藤枝市は地区指定で全域となっていないが、なぜそのような違いがあるのですか。
また、指定地区と指定されない地区では、具体的にどのような違いがあるのですか。
回答 焼津市の希望で、31キロ圏外も含めてUPZ地区指定となった。その理由は市街(住宅
密集地)がつながっているので、線引きができないから。
藤枝市の場合は、市街と山間部は離れており、市と協議のうえ、地区指定されていない
ところがあるが、指定地区外だから何もしないわけではない。
14.避難計画に関する一般市民の不安や疑問を県の担当者と直接やり取りできる場が持てないでしょうか。
回答 避難計画策定後、各市町での説明会があると思うので、必要ならそこに出かけて行き、
説明したい。
回答の文責 浜岡原発を考える袋井の会 竹野昇
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