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2016年8月18日 (木)

天皇について 最終回 自民党の憲法改正案 第1章 天皇

 他にも書きたい話題があるので、今回で天皇については最終回としたい。確認したいが、天皇の地位は国民が決める。それには憲法改正が必要だ。しかし、現在の日本の状況は、象徴天皇制を受け入れている。天皇自身も憲法に沿った天皇家の在り方を模索され、その努力が国民に評価され、天皇制を廃止しようという議論はほとんどない。
 僕は時間をかけてこの問題を国民的議論すればよいと考えている。何度も繰り返すが、思考停止となるタブー視が一番怖い。
 自民党の憲法改正案 第1章 天皇 は、日本の保守勢力の願望が込められている。僕たちはこの自民党案をまな板にあげ、大いに、自由に、あらゆる角度から、天皇制について議論したらどうだろうか。
 マスコミによく登場する憲法学者も、憲法を守る立場の野党も、いわゆる知識人も、僕たち市民運動をしている側も、どうしたわけかこの問題に正面から向き合っていない。意識的に避けているように見える。
 自民党案の最大の狙いは、天皇を象徴から元首に格上げすることにある。まず全文。
 日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、(省略) 
第1章 天皇 第1条  天皇は、日本国の元首であり、(省略)
 
    第3条  国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。
 
     2 日本国民は、国旗及び国家を尊重しなければならない。
 
 天皇の国事行為等
 
第6条 4 天皇の国事に関する全ての行為には、内閣の進言を必要とし、(省略)
     5 天皇は、国又は地方自治体その他の公共団体が主催する式典への出席その
       他の公的な行為を行う。
元首について、広辞苑の説明 『 国家を代表する資格を持った国家機関。君主国では君主、共和国では大統領あるいは最高機関の長など 』
 アメリカ大統領や韓国大統領、あるいはアラブの王様は、元首としてものすごい権力を持っている。自民党は天皇を国民統合の象徴からさらにもっと力を有する存在に格上げしたいのだ。
 天皇の国事行為では、現憲法では内閣の承認が必要となっているが、自民党案では内閣の進言とあるだけで、承認が削除されている。
 平成の天皇つまり今の昭仁天皇は、被災者のお見舞いや慰霊の旅を熱心にやられている。これらは公的行事でなく、私的行為だが、受け入れる側は警備や接待・準備が必要であり、公的行事に準じた扱いになっている。
 見舞いや慰霊の旅そのものは、なんら問題ないが、天皇は自らの意思で、準公的行事を拡大してきた。そしてそれを生前退位して、息子たちに継承させようとしている。
 自民党案では、国が行う式典への出席だけでなく、地方自治体その他の公共団体の式典、さらにはその他の公的な行為を行う、と際限なく天皇の国事行為が拡大できるようになっている。
 これでは天皇の体がもたない。天皇の権威を利用しようと、都道府県や自治体が何か大きなイベントを開催する際、天皇あるいは皇太子・皇族の出席をねだる事態が続出するだろう。
 天皇家、おおもて・大人気。自民党の狙いは、こうして天皇家をさらに特別な存在として国民に浸透させ、元首化を定着させることにあると僕は見ている。
 自衛隊や米軍の記念式典への出席も、自民党案では可能となる。内閣の承認なしで行えるから、天皇自身の意思で参加したと、内閣の責任回避もできる。
 靖国神社参拝も天皇が望めば可能となる。もちろん現天皇はそんなことはあり得ないが、次の天皇の時代になり、日本全体の右傾化が進めば、ありえないと誰が断言できるだろうか!
 伊勢神宮参拝も公的行事に定着しかねない。そこには戦前の国家神道に戻る危険性が潜んでいる。
 今の天皇や美智子さんは、確かに「いい人」だ。日本の保守勢力の考えや願いとは、全く異なる見識を持っている。しかし息子の代、さらにその次の代になり、日本全体が右傾化したら、時代の要請として、戦前の天皇制に戻る危険性を僕は憂慮している。
 だから思い切って、天皇制を廃止したほうがよいと思う。天皇家は日本一の資産家である。形式的には普通の家になるが(徳川家のように)、国民の税金を投入することなく、十分名誉ある格式や生活を保つことができる。
 国民統合の象徴がなくなり、日本人がバラバラになることはあり得ない。それほど僕たち日本人はバカではない。
 日本の歴史で、天皇が大きな存在を占めていた時期は、実は短い! 官位を与える存在として宮家は続いてきたが、武士が実権を握り、国を支配するようになってから(室町幕府から江戸幕府まで)、一般庶民にとり天皇家は取り立てて騒ぐ存在でなかった。
 特に戦国時代から江戸末期まで、日本人は天皇家を意識することは全くなかった。支配層である武士階級も、天皇を政治利用する必要がなかった。武士の支配がよかったと言っているので無い。
 国を治めるのに、国民の統合なる存在がなくても問題ない時代が長く続いた歴史的事実に注目したい。
 

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コメント

この元先生、本当に無知だね。高校の日本史も読んだことが無さそうだわ。それとも知らんぷりして嘘を広めようとしてるの?
広辞苑で調べただけで元首を論じるマヌケさを何とかして欲しいな。ドイツの大統領もそうだけど、政治に立ち入らない権威の象徴として、既に天皇は元首をお勤めになってるの。外国から来る元首を持て成したり、主席になる前の習近平も会いたがっただろ?、新任の大使が着任した時に挨拶をお受けになったりさ。朝日だってその程度は報道してるよ。読まないんだろうな。
皇家は日本一の資産家」戦後、あらかたを没収されてますな。だもんでの税金投入。なのに残った資産に課税してるもんね。酷いもんじゃ。
「それほど僕たち日本人はバカではない。」君たちはバカですよ。
「戦国時代から江戸末期まで、日本人は天皇家を意識することは全くなかった」戦国時代に有力大名が京都を目指した理由、知ってる?家康の征夷大将軍は天皇から授かった称号だし。維新で官軍と称する意味もなかったことになるぞ。
まあ兎に角、憲法改正には賛成なんだね。覚えておきましょう。

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