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2016年8月21日 (日)

広島・長崎、核廃絶、核兵器禁止条約、日本政府の二枚舌外交ト

 8月6日、9日の広島・長崎での原爆でなくった人たちの慰霊祭には、安倍首相を始め政府の要人や国会議員、各国からの外交官、遺族、一般参加者が例年になく大勢参列した。
 報道機関もサミットでオバマ大統領が広島を訪問した後であり、大きく原爆関連の番組を取り上げた。
 核兵器廃絶は全ての人の願いであり、安倍首相やオバマ大統領もそれは口にする。恐らく、核保有国も含め、世界中の政治指導者も核廃絶に反対はしない。
 しかし政治家や軍部、官僚の本音は違う。それは核兵器禁止条約に対する彼らの対応を見れば良く分かる。
 今国連では、この問題をめぐり、さまざまな駆け引きが行われている。19日、国連核軍縮作業部会が、核兵器禁止条約の締結交渉を来年中に始めるよう国連総会に勧告する報告書を賛成多数で採択した。
 日本政府はどうしたか?  棄権した。唯一の被ばく国として核廃絶の先頭に立つ日本が、核兵器は人道に反する兵器であり、使用を禁止する条約を国連で決議することに、一貫して反対している。
 つい最近では、オバマ大統領がアメリカは核兵器で攻撃されない限り、自らは核兵器を先に使わない、つまり先制核攻撃をしないことを、国の方針として決めようと決断したと報道されるや、外務省がアメリカ政府に、「それは困る。核抑止力が低下する。」と、申し入れた。
 その理由に、北朝鮮や中国の核の脅威をあげている。中国も北朝鮮も自らは先に核兵器を使用しないと言明している。しかし、それらの国を先に核攻撃しないと決めることは、相手を利する、特に北朝鮮の核開発を止められなくなる、と考えている。
 うがった見方をすれば、中国や北朝鮮にはいざというとき核攻撃してくれ、それが日本の安全保障につながる、日米安保はそのためにある、と考えているのだ。
 
 オバマ大統領はノーベル平和賞をもらったこともあり、また自らの功績を歴史に残したいとの思いもあり、アメリカが先制核使用をしないことを国の方針にしたいと考えている。、今年秋で任期が切れるオバマ大統領は本気でそれを願っていると僕は想像する。もしそれが実現すれば、世界中に大きな影響を与える。
 
 アメリカは、朝鮮戦争やベトナム戦争、中東の戦争で、小規模の核兵器使用を検討した経過がある。世界に対する影響の大きさ・米国への世界中からの非難を考慮し、実際には使用されなかったが、いつでも使う体制と決意は変わらず持っている。
 オバマ大統領が広島を訪問した際、核のボタンを入れたスーツケースを持参していたことでも、それは明らかである。
 したがってアメリカが自らは先に核兵器を使用しないと決めることは、世界中に良い意味での衝撃が走ることになる。核兵器禁止への流れを作ることにもつながる。
 そして国連で核兵器は悪魔の兵器であり、それを使用することは人道に反する、国際法違反であると決議されれば、核保有国は核を使えなくなる。
 被爆者や広島・長崎の市民、日本中の多くの人々は、核兵器を禁止することを願っている。それが世界中から核兵器を廃絶する重要なステップだと認識している。今国連で核兵器禁止条約を決議することに熱心に取り組んでいる国々の人々も、同じ願いの下に頑張っている。
 人々の暑い願いに水を差す日本政府は歴史の流れに反する過ちを犯している。僕たちは日本政府の方針を変えさせるため、ねばり強く働きかけよう。

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