9月10日、静岡県清水区の清見寺で、『 朝鮮通信使記念シンポジウム~朝鮮通信使等を通じた韓国と静岡県の歴史と未来を考える~』催しがあり、参加した。
このイベント情報は、8月末韓国から戻り金両基先生の家を訪れた時、先生からこのような催しがあるが知っているかともたらされた。
彼の家を訪問した後、韓国民団県本部に行き、そのイベントの要綱と申し込み用紙をもらい、すぐファックスで申し込んだ。
後で詳しくそのイベント内容を紹介するが、来年の21世紀の朝鮮通信使友情ウオークの宣伝をする良い機会だと考え、主催の静岡県地域外交課に電話し、ウオーク日程の情報案内を会場で配布したい旨伝えると、OKの返事をもらった。
定員40名なので、講師の分を含め50枚印刷し、電話した時点ではまだ申し込みが少ないようだったので、メールで関係者にこの催しを紹介したところ、友情ウオークの日本側責任者・遠藤靖夫さんから来年のウオーク参加募集のカラーちらしができているとの情報が入り、50枚送ってもらった。
シンポ前日の夜に、地域外交課の担当者から電話が入り、参加者が70名に増えたと連絡が入った。カラーちらしと僕が印刷した日程情報、さらに昨年第5次静岡県内友情ウオークの歓迎・接待情報をまとめた印刷物を70部用意して、10日のシンポに参加した。
写真の人物は、東北アジア歴史財団事務総長・李賢主氏。彼の挨拶内容は後で紹介する。
赤と青の幟旗は、昨年の友情ウオークで対馬市に事務局がある朝鮮通信使縁地
連絡協議会の松原会長から、世界記憶遺産登録キャンペーンに使ってくれと託されたもの。
静岡県内東海道筋のほとんどの市役所に届け、残った1本を僕が保管してあったので、主催者の許可をもらい掲示させてもらった。
このシンポは2つの組織が主催。
上の方は主催の駐横浜大韓民国総領事館・総領事の朱重徹氏。
同じく主催の静岡県知事・川勝平太氏。彼の挨拶も後で紹介する。
パネリストでシンポ司会の東郷和彦氏。彼は金両基先生の話によるとルーツは韓国。豊臣秀吉の朝鮮侵略の際捕虜として薩摩藩に拉致された末裔にあたるそうだ。彼の安重根についての話は興味深い内容だった。後でその内容を紹介する。東郷氏は元外交官。現在は京都産業大学教授、静岡県対外関係補佐官。
韓国から招かれた2人のパネリスト。パネリストは各20分の持ち時間でミニ講演をしてくれた。その内容も後で簡単に紹介する。
パネリストの仲尾宏・京都造形芸術大学客員教授。彼は昨年の友情ウオークでは、大津市での朝の出発式に、三日月大造滋賀県知事と共に来てくれ、僕らを励ましたくれた。朝鮮通信使世界記憶遺産登録日本側推進委員の中心人物。彼の話も後で。
お寺の扁額は全て通信使関連のもの。
①総領事・朱重徹氏の挨拶ーーー軍慰安婦の問題が日韓で合意され、その履行が進展しているのは喜ばしい。歴史認識の問題は、事実認識の問題であり、事実は変えることができない。両国民の努力で、歴史認識の差を埋めることができると信じている。
②東北アジア歴史財団事務総長・
李賢主氏の挨拶ーーー自分はカトリック教徒。清見寺を初めて訪問した。前を通る鉄道がなかったら、風光明媚な素晴らしいところ
だ。
1984年、早稲田大学に2年間留学した。その後外務省に入り、東京の大使館で4年間勤務。その頃は、政治の世界では比較的日韓関係はよかったが、民衆レベルでは冷めていたと思う。
2000年代に大阪総領事となり、日本に戻ると、日韓の民衆レベルの関係は熱くなっていた。いわゆる韓流ブームに湧いていた。
下は交流。上は冷たい関係になっていた。
市民同士の交流が進んだのは、両国の民主主義が進んだことが大きな要因だと思う。
中華人民共和国という漢字は、made in japanである。 中華は中国語だが、人民という漢字は明治時代に西洋の文明を取り入れた日本人が作った。共和国という漢字もそうである。日本は中国に名称では貢献しているのですよ。しかしほとんどの日本人はそのことを知らないですね。(僕も初めて知った!)
日韓の関係をよくするためには、互いのいいところをほめることも大切。日本は温泉がたくさんある。2019年、韓国の新大統領を日本の温泉へ迎え、友好を深めてほしい。
③川勝平太静岡県知事の挨拶ーーー
663年、百済への援軍はここ清水から出た。そのことは、日本書紀にかかれている。当時から日本と韓国(朝鮮)との関係は深い。百済が破れ、大勢の百済の人が日本に来た。
奈良という言葉は韓国語で国を意味する。飛鳥・大和時代の有力者は、朝鮮半島からの帰化人である。
今の天皇は、記者会見で、「父祖の父は韓国
から来た。皇室も韓国とつながりがある。」ことを認めている。
静岡県は徳川家康公・清見寺をはじめ、韓国と深いつながりがある。現在静岡県は、チュンチュンナンドと姉妹関係を結んでいる。
2014年、韓国朴クネ大統領に、「静岡県は韓国と深いつながりがあり、友好平和のシンボルが清見寺。ここでお茶会
を催したいから是非来てください」との手紙を送った。
政治的な冷え込みでそれが実現していないが、再来年、新大統領には是非静岡県に来ていただきたいと願っている。
ジェームス・三木の「つばめ」という本を読んだ。豊臣秀吉の侵略で日本に連れてこられた「つばめ」という女性の悲劇を描いている。彼女は彦根城(来年NHK大河ドラマの主人公・女城主伊井なおとらの息子が初代城主)で、かつての夫である通信使の一員と再会。しかしすでに日本人の夫と結婚し、子どももある。愛する元の夫から「一緒に国に帰ろう」と誘われるが、日本にも愛する家族がいる。悩んだ末、入水自殺するストーリーである。
(川勝知事は伊井なおとらは浜松出身だから彦根城での出会いを描いた「つばめ」の紹介の目的は、静岡県と韓国との歴史的なつながりを強調するためと思われる。僕は「燕=つばめ」のミュージカル(劇団わらび座)をかつて浜松市・静岡市・三島市で主催したことがあるので、知事がつばめの紹介をした時には驚き、うれしかった! )
長くなったので(疲れたので)、パネリストの講演内容は次回紹介します。
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