沖縄・高江現地から見る大和(本土) その2 松井一郎大阪府知事の対応が象徴する沖縄差別
松井一郎大阪府知事は自身のツイッターで、「表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様」と、「土人」「シナ人」と発言した警察官をねぎらった。
さらに記者会見では、「相手側もひどいことを言っている」と、警官が不適切な発言をしたのは反対派のせいでもあるかのような発言をしている。
僕は「維新の会」代表でもある松井大阪府知事のこうした対応に、大和(本土)の沖縄差別=沖縄無視=沖縄無理解を感じる。
もし大和(本土)内で、ある地域の市民運動=住民の政府に対する反対行動があったと仮定し、その地域に派遣された他府県の機動隊員が同様な差別発言をした場合、松井知事のような対応があるだろうか?
あり得ない! 警官がヤマト(本土)の人間に「土人」「シナ人」呼ばわりをすることもあり得ないし、その警官を擁護する知事なんて考えられない!
もしそのようなことがあれば、激しい批判の嵐で、辞任ものだ。マスコミも連日批判キャンペーンをするだろう。
『問題の本質 1 』
松井知事だけでなく政府も官僚も、沖縄の新基地建設を容認するすべての政治家や大和(本土)の経済人や一般大衆は、「何故、沖縄の人々が高江のヘリパッド建設に反対するのか、辺野古新基地建設に反対するのか」、根本的なことを理解していない。
大半の大和(本土)の人間は、「日米の信頼関係」「米軍の抑止力が日本(大和)を守る」「そのために沖縄に新基地建設をするのは、やむを得ない」、と考えている。
翁長沖縄知事をはじめ選挙で選ばれた国会議員・県会議員・市町村長を先頭に沖縄の8割以上の住民が、「これ以上米軍基地を作ることは認められない。これまで沖縄は自ら米軍に土地を差し出したことはない。沖縄の米軍基地は住民から土地を強奪して作られた。今、大和(本土)の政府が、新たな基地を米軍のために作ろうとしている。これでは半永久的に沖縄は軍事基地を押し付けれる。
子や孫、これから生まれてくる子孫のために、沖縄戦を体験したわれわれの世代=大人の責任として、新基地を作らせない!」
「選挙で我々はこの民意を示してきた。日本は民主主義の国である。沖縄の民意を無視するのは、沖縄差別である。大和(本土)で、このようなことがあるだろうか?」
「あらゆる手段を行使して、抵抗する。未来に負の遺産を残さない。」
上記の沖縄の人々の思いを、少しでも理解=共感していたら、松井大阪府知事のような対応はあり得ない。
『 問題の本質 2 』
松井知事をはじめ本土の人間は、沖縄に派遣された機動隊(若い警察官たち)が何をやっているのか知らない。
本土のマスコミは大きな事件がない限り、沖縄での米軍基地がらみのことは報道しない。従って、今沖縄で何が起きているのか、大半の人は知らない。
大和(本土)から派遣された警察官がやっているのは、違法な交通規制や身体拘束であり、排除の際の暴力である。
米軍を守り、基地建設業者を守り、反対する住民運動を弾圧するのが、「一生懸命命令に従っている職務」である。
工事車両を先導するパトカー。
女性を取り囲み、自由な行動(トイレに行く。公道を歩く。
)を1時間以上規制する。時には3時間近くになる時もある。
大阪府警の指揮官。N1表工事車両が入るゲートは、大阪府警が担当。
反対派住民を機動隊の壁で取り囲み、拘束(人間のオリに入れる)。
令状なしの拘束はできない。しかしここは無法地帯。警察はやりたい放題。これが松井知事がいう「出張ご苦労様」の実態である。
基地を作るためなら沖縄で何をやっても、何を言っても許される。これが大和(本土)の対応だ。
*公務員は市民に対し、丁寧な言葉を使わなければならい。市役所の窓口で、いくら暴言を吐かれても、相手にけんか腰で暴言を吐くことはあり得ない。もしあったとすれば、監督者(市長や行政のトップ)は、職員をたしなめ、市民対応の教育をするのが務めである。
松井知事は
、監督者として失格である。まして今回は差別発言だ。差別解消が行政の責務。その責務を彼は自覚していない。
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