2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ

« 浜岡原発の再稼働をストップさせるための戦略 続き | トップページ | 時事問題・社会問題・最近の世相雑感 その1 »

2016年11月11日 (金)

upz市民団体交流会、10月27日、静岡県庁でのアクション報告

 遅くなってしまったが、10月27日、僕たち「UPZ市民団体交流会」は、18名で危機管理部原子力安全対策課を訪問し、下記の要望及び質問書を出した。
Img_6253

                                2016年10月27日

 

静岡県知事 川勝平太様

 UPZ市民団体交流会

 

浜岡地域原子力災害広域避難計画に関する要望及び質問書その5)

 

 私たちUPZ市民団体交流会は、2014年11月に1回目の広域避難計画に関わる要望及び質問書を出して以来、今日まで合計4回(スピーディ活用の要望書を含めると5回)この問題に関する要望や質問書を提出し、回答をいただく際には原子力安全対策課の皆さんと意見交換を重ねてきました。また関係市町の首長や担当課にも要望及び質問書を出し、話し合いを重ねてきました。

 これまでの取り組みで見えてきた問題点を整理したものを小冊子にまとめましたので、添付させていただきます。

 私たちの基本的な考えを表明し、熊本地震の教訓を踏まえた新たな要望及び質問書を提出します。

 11月末日までに、文書によるご回答をお願いします。またその際に、私たちとの率直な意見交換ができる時間を取ってください。

 

『 私たちの基本的な考え 』

 私たちは一貫して「被曝しないで避難できる実効性ある避難計画」を求めてきましたが、現状のままでは私たちの要望を満たす広域避難計画の作成は極めて困難であると思われます。

 従って被曝しない対策は、「浜岡原発の再稼働を認めないこと」に尽きると考えています。

 

 

1. 熊本地震の教訓から、屋内退避は見直してください

  熊本地震(M7.3.最大震度7)では、強い揺れが何回も起き、最初の地震よりも後の地震のほうが建物倒壊につながりました。気象庁はこの教訓から今後余震という言葉を使わないと決めました。

  被災者たちの多くは、建物崩落の危険を避けるため、屋外の車やテントで避難生活を送る様子が繰り返し放映されました。

  この事態を受けマスコミが全国の原発を抱えるUPZ圏内の首長に屋内退避に関するアンケート調査をしたところ、多くの首長が「見直す必要あり」と答えています。

  5キロ圏内の住民が即時避難するのに、5キロ圏外~31キロ圏内の住民は毎時500マイクロシーベルトに達するまで屋内退避になっています。しかし複合災害の場合には気密性を失った自宅や避難所で待つのは、建物崩落の危険を回避するうえでも、また人間心理の面から、さらに被曝を避ける観点から回避すべきであり、根本的に屋内退避は見直してください。

 

2. 上記1に関連し、毎時500マイクロシーベルトまで屋内退避とした国の指針を改めるよう働きかけてください

  私たちは一貫して被曝を前提にした避難計画は受け入れられないと要望していますが、県当局は原子力規制委員会が定めた「原子力災害対策指針」に縛られ、計画の見直しに応じません。

  新潟県が設置した技術委員会が原子力規制委員会に、「500マイクロシーベルトは人体にとり安全か」と質問したところ、規制委員会は答えられないでいます。

  規制委員会は避難計画の実効性について審査しません。その組織が定めた指針に縛られる必要は全くないと私たちは考えます。

  県民の命と健康を守るため、川勝県知事のリーダーシップで全国知事会にこの問題を提起し、指針の見直しを国・原子力規制委員会に働きかけてください。

 

 

3. 安定ヨウ素剤を31キロ圏内全ての住民に事前配布してください

  5キロ圏内住民への安定ヨウ素剤配布が始まりました。これは「市民の安心感」につながり、子ども達の甲状腺がん発生の抑制に役立つと考えます。しかし、配布対象にならない市民の「不安」、5キロ圏外の子ども達の「安全対策」は置き去りにされています。

  ヨウ素剤は被曝する前に飲まなければ、効果は薄まります。服用するタイミングが重要です。現在の計画では、自宅あるいは学校・避難所で待機し、定められたところへ各家庭がもらいに行き、専門家の説明を受けたうえで受領し、家に戻ってから服用することになります。

  地震・津波・原発事故の複合災害では、そのような時間的余裕がありません。大混乱・大渋滞の中で、効果的な服用を最も必要とする子ども達の手に安定ヨウ素剤が速やかに届かない恐れがあります。

  しかも5キロ圏外~31キロ圏内の住民が避難するのは、毎時500マイクロシーベルトに達してからとなっていますから、大量被曝してから服用することになってしまいます。

  5キロ圏内同様に、UPZ圏内全ての家庭に事前配布できるよう、市町と協議のうえ、対策を講じて下さい。

 

4. 安定ヨウ素剤の服用指示の時点に関して

  5キロ圏内の住民に対しては、全面緊急事態に至った時点で、国の指示に基づき直ちに服用するよう指示するとなっています。

  しかしUPZ圏内に対しては、「全面緊急事態に至った後に、発電所の状況やモニタリング結果等に応じて、避難や一時移転と合わせて安定ヨウ素剤の配布・服用について、原子力規制委員会が必要性を判断する。県及び関係市町は、原則として国の指示に基づき、安定ヨウ素剤を配布し、服用するよう住民等に指示する」となっています。

  服用指示は放射能が外部に漏れた時点、あるいはベントで放射能を外部に放出する直前に服用指示を出すべきだと考えますが、県の考えを明確に説明してください。

 

5. 31キロ圏外住民の安全対策を考えてください

  福島原発災害は、31キロをはるか越えた飯舘村を全村避難にしています。伊達市・福島市・郡山市などでも、高濃度に放射能汚染された地域がたくさんあり、学校・公園・住宅の除染が行われました。31キロ圏外の住民で、福島県内外に自主避難している方々が今も多数おられます。

  浜岡原発事故が起きたら、西よりの風向の場合、静岡市・富士市・沼津市・三島市をはじめ静岡県東部、伊豆地方の多くの市町が放射能汚染される事態、東寄りの風の場合、浜松市・湖西市が汚染される事態も想定する必要があります。それらの地域は避難受け入れ先にもなっています。

  従って31キロ圏外の安全対策として、以下の2項目を要望します。

 31キロ圏外全ての市町に、放射能測定モニタリングポストを設置してください。

 31キロ圏外の市町も、原子力災害広域避難計画を策定できるようにしてください。

 

6.スピーディ活用の具体化を促進してください。そのためにも、スピーディの管 理・運用を気象庁でやれるよう、国に働きかけてください

各地域の放射能汚染状況を知るうえで、スピーディの活用は不可欠です。6月17日付け

の回答では、「その有効性を認識しているところであり、全国知事会等を通じて、引き続き他都道府県とともに国に要請をしています。」とありましたが、その後の進捗状況はいかがですか。

 私たちはスピーディの管理・運用は気象庁に任せることでその効果の信頼性が高まり、県としてもそこから情報を得るのが最善だと考え、前回そのことを国に働きかけるよう要請しましたが、この件に関しては回答がありませんでした。そこで再度同じ内容の要望をし、きちんとした回答を求めます。

 

7. 避難シミュレーションのやり直しを求めます

  平成26年に公表された避難シミュレーションは、静岡県第4次地震被害想定に基づいていません。現在策定中の浜岡地域原子力災害広域避難計画にも基づいていません。これでは避難計画の実効性を検証できません。

  31キロ圏外に避難したのち、スクリーニング(放射能測定検査・除染)を受け、避難先に向けて出発するまでにどれぐらい時間がかかるのか、静岡県第4次地震被害想定に基づく道路機能低下率を考慮したシミュレーションを実施してください。

8. スクリーニング(避難退域時検査・簡易除染)に関し、以下の質問に答えてください

  スクリーニングに関して6月17日付けの回答は、極めて不十分なものでした。以下いくつか

 の項目について、具体的かつ明確にお答えください。

 16か所でスクリーニングを実施する場合、1か所の平均完了時間はどれぐらいですか。

 放射能拡散方向は風向きで変わります。福島原発災害の教訓を踏まえ、気象状況にあったスクリーニング実施場所の検討が必要だと思いますが、どのようにお考えですか。

 スクリーニング実施場所の確定はいつ頃になりますか。

   各市町の避難計画は、スクリーニング場所が決まらないので、避難経路を確定できず、前に進められない状況にあります。スクリーニング場所確定の時期をお尋ねします。

 ペットの避難は検討中と回答をいただきました。ペットも携行品同様にスクリーニングが必要だと思います。ペットのスクリーニングはどのようにお考えですか。

 車の放射能測定をするゲートモニターは、1か所1台では対応できないと考えます。1か所何台設置する計画でしょうか。また必要な台数を確保できる見通しは立っているのでしょうか。いつごろまでに確保できるかもお尋ねします。

 人体の放射能測定を効率的に行う体表面汚染モニターは、1か所平均何台必要ですか。現在何台確保していますか。また必要とされる機器全てをそろえるのは、いつ頃になりますか。

 車両の除染には大量の水を使用します。除染後の水の処理はどのようにしますか。 

 高濃度汚染のため簡易除染で処理できない車・ペット・携行品などはどのように措置されますか。

 16か所でのスクリーニングに必要とされる人員の総数は、どれぐらいですか。

 スクリーニングを受けたことを示す証明書には、どのような項目が記載されるのかお尋ねします。

 災害時の大混乱や、直ぐ逃げなければ被曝するとの恐怖感から、スクリーニングを受けずに避難する人が多数出ると予想されます。スクリーニング証明書を持っていない人も、避難所に入ることは可能でしょうか。

 

9. 家畜の避難はどのようにお考えでしょうか

  福島原発災害では、牛や豚、鶏など家畜の餓死・殺処分と、まことに悲惨な状況でした。このような悲劇を避けるため、家畜の避難も検討する必要がありますが、どのようにお考えでしょうか。

10.中電と安全協定を結んだ5市2町の環境放射能測定について

  5市2町が中電と結んだ協定書には、環境放射能測定について「必要な測定を実施する」と記されています。

  しかし解釈書では「県が実施している調査を継続する」と、県には義務付けをしながら、中電の測定調査については「協議の上別途定める」となっています。

  協議がその後されたのか、されたのならその内容を説明してください。されていないなら、今後の予定をお尋ねします。

  また、現在4市で実施しているのと同じ測定方法を、5市2町でも実施することを私たちは求めますが、県はどのようにお考えでしょうか。

 

11.避難先の放射線量測定の重要性

  5の項目で、31キロ圏外全ての市町にモニタリングポストの設置を要望していますが、福島原発災害では、浪江町津島や飯舘村に避難した人たちは結果的には線量の高いところに避難し、被曝しました。

  静岡県では福島を教訓とし、このような事態は絶対に避けなければなりません。放射能は風向きやその時の気象により広範囲に拡散します。単独災害では県内多くの市町が避難先となっています。

  避難先の放射線量を正確に把握し、線量の高い地域を避難先にしないことが県当局に求められます。

  このことをどのようにお考えでしょうか。

 

 

 UPZ市民団体交流会参加団体

 

 さよなら浜岡原発・焼津市民の会(焼津市)

 なくそう浜岡原発 命とふるさとを守る藤枝市民の会(藤枝市)

 避難者を支援する志太榛原住民の会(藤枝市)

 浜岡原発はいらない島田の会(島田市)

 安心して暮らせる島田を創る市民の会(島田市)

 浜岡原発をなくそう・吉田町民の会(吉田町)

 浜岡原発を考える牧之原市民の会(牧之原市)

 浜岡原発の危険から住民を守る会(菊川市・御前崎市)

 浜岡原発はいらない・命を守る菊川市民の会(菊川市)

 浜岡原発を考える会(御前崎市)

 掛川金曜アクション有志の会(掛川市)

 原発いらない掛川の主婦たち(掛川市)

 浜岡原発を考える袋井の会(袋井市)

浜岡原発はいらない磐田の会(磐田市)

 明るい未来を!磐田(磐田市)

 

Img_6180

この後、県政記者室で記者会見。

 

静岡・中日・読売新聞が取材してくれた。

Img_6181

Img_6182

 上二枚は県政記者室にて。

 原子力安全対策課と記者には、避難計画の問題点を明らかにした小冊子も渡した。

少し長いが、コピーする。

浜岡地域原子力災害広域避難計画の問題点

 

 

 

 実効性ある避難計画は策定できない

 

 最善の安心・安全対策は、再稼働させないこと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじめに

 

 浜岡原発から31キロ圏内15の市民団体で構成する私たち「UPZ市民団体交流会」は、2014年から2016年まで計5回にわたり、静岡県知事あての広域避難計画に関わる要望及び質問書やスピーディ活用の要望書を出し、その回答を受ける際、危機管理部原子力安全対策課と意見交換を重ねてきました。

 

 さらに関係市町の首長や防災担当課にもこの問題で要望・質問をするなど、話し合いを重ねてきました。今後も引き続き県や市町当局に要望や質問書を出し、話し合いを継続しますが、このたび中間報告として、これまでの取り組みで見えてきた問題点を整理し、小冊子にまとめました。

 

 私たちのこれまでの取り組みの結果、『実効性ある避難計画策定は不可能であり、最善の安心・安全対策は再稼働させないこと』が明確になりました。

 

 この小冊子は、県民の命と健康、安全な暮らしを守るために、浜岡原発の再稼働はありえないことを理解していただくための資料です。

 

 原発から31キロ圏内の住民・議員・市長・町長・行政職員、また県民全体が原発災害広域避難計画の問題点や再稼働の是非を考える際、参考にしていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作成 浜岡原発から31キロ圏内15の市民団体で構成する「UPZ市民団体交流会」

 

 

 

1.被曝を前提にした避難計画は受け入れられない

 

  国の方針、それを受けての県の避難計画は、原発事故が起き全面緊急事態になれば、5キロ圏内の住民はそく避難、それ以外の31キロ圏内の住民は屋内退避、放射線量が毎時500マイクロシーベルトに達したら避難するとなっています。

 

 放射線量毎時500マイクロシーベルトは、レントゲン写真を撮る放射線管理区域の約847倍の線量です。500マイクロシーベルトの放射線量を2時間浴びると、国の規制基準1ミリシーベルトに達します。(国は年1ミリシーベルトの放射能を浴びると人体に危険であると定めています。)

 

 大渋滞・大混乱を避けるため、一定の被ばくはやむを得ないとの考えですが、これでは放射能に細胞が破壊されやすい子どもたちを含め、私たちは被曝するまでじっと自宅待機しなければなりません。熊本地震では、自宅待機の困難性が判明しました。このことは、10の項目でも触れます。

 

 被曝を前提にした避難計画は受け入れられないと私たちは一貫して主張していますが、県当局は国の指針をたてに計画の修正に応じていません。

 

 

 

 

 

2.いまだに決まらない県外避難先市町

 

  県当局が避難先の確保に当たっていますが、その作業を始めて2年近くなっても具体的な避難先は決まっていません。

 

 県の担当者はその理由を、「受け入れ先避難所の駐車場確保の困難性」と説明しています。

 

 

 

『県内避難先及び協議している都県』2016年3月時点

 

              原発災害が単独で発生            複合災害

 

御前崎市  浜松市                            長野県

 

牧之原市の5キロ圏   山梨県                      長野県

 

島田市   静岡市・川根本町・富士市・沼津市・長泉町・清水町       東京都

 

      函南町・伊豆の国市・伊豆市・下田市・東伊豆町・河津町

 

      松崎町・西伊豆町・南伊豆町

 

藤枝市   三島市・裾野市・御殿場市・小山町・熱海市・伊東市       埼玉県

 

焼津市      神奈川県

 

吉田町   静岡市・富士宮市                       群馬県

 

牧之原市  山梨県                            群馬県

 

菊川市   浜松市・湖西市・愛知県                    富山県

 

掛川市   愛知県                            富山県

 

袋井市   三重県                            福井県

 

磐田市   岐阜県                            石川県

 

森町    森町内                            森町内

 

 

 

 県外の具体的な避難先(受け入れ先市町)は全く決まっていません!

 

 

 

 東海地震・南海トラフ巨大地震は今後30年以内に70%以上の確率で起きると専門家が指摘(政府も認めています)してから数年経過しています。浜岡原発事故は地震・津波との複合災害になる可能性が高いです。

 

 

 

 『避難対象は31キロ圏内にとどまらない』   地震・津波だけなら県外まで避難する必要はありません。しかし福島原発事故で分かったように放射能汚染は広範囲に及び、風向き次第で全県の住民も県外に避難せざるを得ない状況が生まれます。

 

 あらかじめ安全な避難先が決まっていなければ、福島の被災者が経験したように避難所を転々と移動する流浪の民になる恐れがあります。

 

 

 

3.決まらない具体的な受け入れ施設(体育館・公民館・学校・病院・福祉施設など)

 

  原発単独災害で県内に避難する市町の具体的な受け入れ先施設は、まだ何も確定していません。県内でもこうですから県外の具体的な避難先確保は極めて困難です。特に大変なのは災害弱者(入院患者・老人ホーム入居者・障がい者・赤ちゃんを抱える家族など)の避難先確保です。

 

 福島県双葉町病院の入院患者は受け入れ先がなかなか決まらず、避難途中及び避難先で50名が死亡しています!

 

 

 

4.決まらないスクリーニング(避難退域時放射能測定検査・除染)の場所

 

  私たちは毎回県当局にスクリーニングの場所や機材・検査する人材がそろっているのかを質問してきました。県は浜松市と静岡市それぞれ8か所、計16か所でスクリーニングを実施するとしています。

 

 しかしその場所は決まっていません。担当者の説明では、「周辺住民の理解が得られていない」とのことです。放射能の除染をすれば、周辺が放射能に汚染される恐れがあり、除染できない衣服や物、車はどこに保管するのか、除染に使用した水の処理はどうするのかといった問題が生じます。住民は自分たちの地域もスクリーニングに伴い汚染されることを恐れているものだと想像します。

 

 

 

 これ以外にもう一つ大きな問題があります。1万台を超える車を待機させる場所がない問題です。

 

 県の避難計画は一家族車一台(合計約28万台)で避難するとなっています。浜岡原発から31キロ圏内の94万人が車で避難すれば、一つのスクリーニング場所に平均約15、500台もの車が押し寄せます。

 

 県は新旧東名高速IC周辺やサービスエリア・パーキングエリア、国道1号沿道、国道150号沿道などで実施を検討していますが、1万台を超える車がスクリーニングの順番待ちで待機すれば、大渋滞になります。

 

 大災害時には救急車・救援車両がスムーズに通れるようにしなければなりません。避難する車で身動きが取れない状態になれば、助かる命も助からないことになります。

 

 大渋滞で長時間放射性物質が降り注ぐ地域から脱出できなければ、それだけ放射能に汚染され、被ばくすることになります。

 

 2016年6月17日の県の回答では、スクリーニングの機材や人員も94万人に対応できない状況が判明しました。車両用ゲートモニターは2台しかありません。

 

 

 

 *スクリーニングとは、31キロ圏外に出てから、体や衣服・持ち物、車が放射能で汚染されていないか測定し、一定の線量を越えた場合、簡易除染することです。避難者はスクリーニングを受けた証明書を受け取り、指定された避難先でそれを提示することになっています。

 

 

 

 *スクリーニングにどれぐらい時間がかかるか私たちは質問書を出していますが、県の回答はありません。

 

 

 

 *車両用ゲートモニターとは、車の放射能汚染を測定する機械のことです。何十万台もの車を測定するのに、たった2台では話になりません。非常に高額なため、18か所すべてに用意できるのはいつになるか分かりません。

 

 

 

5.避難先・スクリーニングの場所が決まらないので市町の避難計画は進められない

 

  県が具体的な避難先やスクリーニングの場所を決めることができないので、各市町の避難計画は確定できない状況にあります。

 

  スクリーニングの場所が決まらないと、避難経路の確定ができません。大混乱を避けるために、どの地区の住民はどの経路で31キロ圏外に逃げ、どこでスクリーニングを受けるのかを事前に決めておき、住民に周知徹底しておく必要があります。

 

  さらに具体的な避難所(避難先)が決まらなければ、自治体が住民にどこに行ってくださいと事前に示すことができません。避難先市町が決まっても、避難計画策定完了とはなりません。

 

 

 

 

 

6. 災害弱者の避難先や避難手段確保も未定

 

  私たちUPZ市民団体交流会は、災害弱者の避難先確保と輸送手段確保は行政が責任をもって進めてほしいと重ねて要望し、現在では県当局もその必要性を認めています。

 

 しかし具体的に受け入れ市町のどの施設に入るのか、全く決まってはいません。入院患者や老人ホーム入居者・障がい者・要支援者などの災害弱者は、対応できる設備が整った避難先でなければなりません。                                     

 

  また避難手段つまり車の手配の問題が未解決です。酸素ボンベや点滴が必要な入院患者・絶対安静が必要な患者や、車いすや寝たきりの老人・障がい者は、普通の車両では避難できません。県はまだどの施設でどのような車両が不足しているのか調査しておらず、災害弱者の避難先も輸送手段も確保されていません。

 

 また保育・幼稚園、小・中・養護学校の子どもたちで、保護者が迎えに来れない場合は、行政が責任を持って避難先まで輸送することになっていますが、そのための車両の確保もできていません。

 

 

 

 

 

7. 安定ヨウ素剤の配布方法の問題

 

  福島県ではすでに173人の子どもたちが甲状腺がん(疑い含む)と診断され、132人が手術を受け、131人のがんが確定しています。今後この数は増えるものと思われます。

 

 原発事故が起き、放射能が外部に漏れた時、18歳以下の子どもたちは安定ヨウ素剤を被曝する前に服用すれば、甲状腺がんになることを防ぐことができると言われています。(他の内部被ばくによる疾患は防ぐことができませんが)。

 

 私たちは在校(在園)中事故が起きればすぐ服用できるよう、保育・幼稚園、学校にヨウ素剤を備蓄しておき、保健や養護の先生が研修を受けて服用指導できる体制を整えてほしいと要望していますが、県の回答は明確ではありません。

 

 

 

8. 避難するのにどれぐらい時間がかかるのか、シミュレーションをやり直してほしいとの要望に、県は全く応じていません

 

  平成26年度に県が公表したシミュレーションは、原発事故が起きたら浜岡から31キロ圏内の住民94万人が、一家に一台の車でどの方向に逃げるのかどの道を通るのか全く考慮に入れずに、31キロ圏外に避難したらどれぐらいの時間がかかるのか調査したにすぎません。

 

 私たちは、実効性ある避難計画策定のためシミュレーションのやり直しを要望しています。現段階で県が考えている避難先やスクリーニングを考慮に入れ、さらには静岡県第4次地震被害想定(平成25年公表)に基づいた橋や道路の被害(通行不能)などを考慮したシミュレーションをやってほしいと要望していますが、残念ながら県は応じていません。

 

 

 

9.授業(保育)中の事故では、保護者が迎えに行くのでなく、行政がバスを用意して子ども達を避難先まで輸送してほしいとの要望にも、県は応じていません

 

 共働きの家庭が増え、すぐ保護者が迎えに行くことができません。またそうすれば交通渋滞になります。在校(在園)中の事故では、子どもたちの被曝を防ぎ安全かつ迅速に避難させるには、行政が用意したバスであらかじめ決められた避難先に避難させる、そうして保護者がその避難先で子どもを引き取るのが最善の方法だと思われます。

 

 アメリカの避難計画ではそのように定められ、国が決めた避難計画が策定できなければ原発を動かすことができません。

 

 しかし残念ながら県当局は当初の方針を変えようとはしていません。

 

 

 

10.熊本地震の教訓を反映すべき

 

 熊本地震(マグニチュード7.3、最大震度7)では強い余震が何回も起こり、一部損壊の家でも自宅にいるのが怖くて、車生活を余儀なくされた人々がたくさん出ました。避難所も天井が崩落したりして、野外でテント暮らしをする人がたくさんいたのは記憶に新しい出来事です。

 

 県の計画では、原発事故が起きても5キロ圏内以外は、毎時500マイクロシーベルトに達するまで自宅待機です。南海トラフ巨大地震が襲えば、マグニチュード9クラスになると予想されます。沿岸部の人は津波の恐れ、それ以外の地域では余震や再度強い揺れの恐れがあり、家が倒壊または半壊した人はもちろんのこと、自宅待機など不可能です。

 

 この点を県当局との意見交換会で話題にしたところ、県の担当者自身熊本地震で応援に行っており、今後の検討課題との認識を持っていました。

 

11.静岡県第4次地震被害想定に基づいた広域避難計画にすべき

 

 平成25年に県が公表した第4次地震被害想定では、橋の崩落、道路の液状化、崖崩れ、電柱・歩道橋・建物などの倒壊、津波浸水などで、多くの箇所で通行不能になるとしています。

 

 また新旧東名高速道路も、富士川河口断層帯で大きな断層変位が生じた場合、通行止めになると想定しています。

 

 また緊急自動車や緊急通行車両(消防・自衛隊などの車両)を優先する交通規制が、東名や幹線道路で実施されることも書かれています。

 

 ところが今年3月に公表された原発災害広域避難計画には、第4次地震被害想定が反映されていません。

 

 

 

12.スピーディの活用について

 

 福島原発事故ではスピーディが活用されず、放射線量が高い地域に逃げ、被ばくする事態が生じました。私たちのスピーディ活用の要望に対し、県当局もその有効性を認め、放射性物質の拡散予測手法の活用とその運用体制の構築を国に求めています。しかしまだ具体的活用の段階には至っていません。

 

 

 

13.犬・猫などペットの避難

 

 我が子同然のペットを飼っておられる方々にとり、ペットを避難所で受け入れてもらえるかどうかは深刻な問題です。私たちはこの点も県に質問しています。県の回答は今後の検討課題となっていますが、具体的な検討は進んでいません。

 

 

 

14.長期化する避難生活

 

 福島県では原発災害から5年以上経っても、いまだに故郷・我が家に戻れず避難生活を強いられている人々は、約9万人もいます。

 

 仕事や生きがいを奪われ長期化する避難生活で、うつ病などの病気になったり、自殺者が増えている厳しい現実があります。政府や電力会社は原発事故で死者は出ていないと主張しますが、災害関連死は福島県が断トツに多いです。

 

 静岡県の広域避難計画では当面1か月の短期避難を想定しており、これを越える長期避難については国と協議・調整するとしています。放射能に汚染されたら、私たちも福島県民のように避難は長期化し、故郷・我が家に戻れなくなると考えます。

 

 

 

まとめ

 

 私たちは原発事故が起きれば避難を強いられる住民として、県当局や関係市町当局に様々な観点から要望や質問書を出し、意見交換を重ねてきましたが、『これでは安心できない。県や市町の広域避難計画はまだ策定の途上にすぎず、解決すべき課題は山ほどある。』と考えています。

 

 危機管理部原子力安全対策課の課長は、2016年4月私たちとの話し合いで、稼働中と運転停止中の原発災害の影響は全く異なるとの見解を表明しています。

 

 原発は、原子炉の中で核分裂を起こし、その熱エネルギーで電気を作りますが、同時に大量の放射性物質を生み出します。さらに使用済核燃料(核のゴミ)が増え続けます。その処分場は決まっていません。浜岡原発の敷地に保管するほかないと言われています。

 

 厄介で危険な核のゴミがこれ以上増えることは、立地自治体の御前崎市民にとっても深刻な問題です。核のゴミを引き受けてくれる自治体は県内はおろか県外でもないでしょう。

 

 福島原発事故で大量に発生している汚染物質の置き場は、立地自治体である双葉町・大熊町となりました。国や福島県は、30年後撤去すると言っていますが、どこが引き取ってくれるでしょうか?

 

 原発を動かさなくても、電気は十分足りていることが、浜岡原発停止から5年以上経って証明されています。一方、東日本大震災・熊本大地震で、改めて日本列島は「地震列島」であることが分かりました。

 

  私たちの命や健康、財産を守り、安心して暮らせる地域にするには、東海地震の震源域の真上に立地する浜岡原発を再稼働させないことだと確信します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 UPZ市民団体交流会

 

 

 

 さよなら浜岡原発・焼津市民の会(焼津市)

 

 なくそう浜岡原発 命とふるさとを守る藤枝市民の会(藤枝市)

 

 避難者を支援する志太榛原住民の会(藤枝市)

 

 浜岡原発はいらない島田の会(島田市)

 

 安心して暮らせる島田を創る市民の会(島田市)

 

 浜岡原発をなくそう・吉田町民の会(吉田町)

 

 浜岡原発を考える牧之原市民の会(牧之原市)

 

 浜岡原発の危険から住民を守る会(御前崎市・菊川市)

 

 浜岡原発はいらない・命を守る菊川市民の会(菊川市)

 

 浜岡原発を考える会(御前崎市)

 

 掛川金曜アクション有志の会(掛川市)

 

 原発いらない掛川の主婦たち(掛川市)

 

 浜岡原発を考える袋井の会(袋井市)

 

浜岡原発はいらない磐田の会(磐田市)

 

 明るい未来を!磐田(磐田市)

 

 

 

« 浜岡原発の再稼働をストップさせるための戦略 続き | トップページ | 時事問題・社会問題・最近の世相雑感 その1 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

「被曝を前提にした避難計画は受け入れられない」なら「被曝を前提にした医療検査も治療も受け入れられない」筈ですよね?胃がん検診での被ばく量は平均7ミリシーベルトもあったんだよ。ミリってマイクロの1000倍ですぞ。
原発が地震でどうにかなるなら、その他の建物はみんな倒壊でしょう。とくにそこは東海だし・・・^^;;  だから屋内退避なんてナンセンス。普通の建物が残っているなら、原発は正常でなんともないよ。
原発が津波でどうにかなるなら、その他の建物はみんな流されているでしょう。屋内退避をするような人は生き残ってるのかな?

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/586735/64474567

この記事へのトラックバック一覧です: upz市民団体交流会、10月27日、静岡県庁でのアクション報告:

« 浜岡原発の再稼働をストップさせるための戦略 続き | トップページ | 時事問題・社会問題・最近の世相雑感 その1 »