原発を巡る最近の情勢分析
原発を巡る最近の状況
『 福島の大災害が忘れられ再稼働が進む日本と、脱原発の台湾・韓国 』
安倍政権は福島の事故から全く学ぶことなく、再稼働・原発輸出路線を推し進めている。国内の原発ですでに動いているのは、九州電力川内原発・四国電力伊方原発・関西電力高浜原発。さらに年内には九電玄海原発・関電大飯原発も再稼働される。
ところがお隣の台湾や韓国では、脱原発が進んでいる。福島事故の教訓から、新規あるいは工事中の原発を止め、40年経過した原発は廃炉。脱原発の工程表を政権は明示し、国民の支持を受けている。
『 福島は依然として厳しい状況が続く 』
政府は2020年東京オリンピックまでに福島の復興を国際社会にアピールするため、いまだ放射線量が高いにも関わらず帰還政策を推し進めている。自主避難者への住宅支援もこの3月で打ち切られた。
報道機関の福島ニュースも本当の厳しい状況を伝えていない。事故から6年が過ぎ、子どもたちの甲状腺がんが増えている。疑いも含め190人。手術した子どもは150人を超えている。チェルノブイリがそうであったように、今後も増え続ける。
にも関わらず定期的な検診が縮小されようとしている。線量の高い福島県から一時的に離れ、子どもたちが海や山・自然の中で思い切り遊ぶ保養が必要であるが、政府・福島県当局は保養にびた一文助成金を出していない。民間の善意で保養が実施されている。
除染に莫大な税金がつぎ込まれているが、線量はそれほど下がってはいない。帰還宣言をした飯館村や浪江町では戻るのは高齢者のみ。人口の1割程度。若い世代は戻らない。
福島原発事故の収束は6年経っても先が見えない。事故原因も解明されない。熔け落ちた核燃料がどこにあるかもわからない。放射能に汚染された水が増え続け、タンクが満杯。海洋投棄(これはあってはならない)は漁民の猛反対でできない。
絶望的な状況が続いている。
『 浜岡原発はどうなる? 川勝知事発言 』
選挙では再稼働の是非に全く触れなかった川勝県知事は、当選後の2回の記者会見で、「再稼働はあり得ない・認めない」と言明している。
私たちには追い風の発言だが、4年後どうなるかはわからない。知事は不同意の理由として、使用済み核燃料の保管問題を上げている。現状は冷却保管のプールがいっぱいで、動かせば保管する場所がない。乾式貯蔵(空冷)施設は、原子力規制委員会が4号機の審査で合格を出した後、建設が許可されるが、規制委員会の審査合格も見通せない。
知事は自分の任期中は動かせる状況にないと、「不同意」発言をしているが、4年後どうなるかは分からない。
『 安心できない中電の動き 』
中電の安全キャンペーンが凄まじい。テレビ・ラジオ・電車内広告・度重なる現地見学会チラシ新聞折り込み・4市での戸別訪問で、安全対策工事を徹底的にやっているとアピールしている。
原発をあきらめるなら巨額の宣伝費をつぎ込む必要はない。世論の原発アレルギーを解消し、規制委員会の合格が出れば、地元同意を取り付け、再稼働を狙っている。
『 原発に活断層 』
地質学者の塩坂邦雄氏は、浜岡原発の敷地内に南北に延びる活断層の疑いを指摘し、中電や規制委員会が認めたH断層以外もきちんと調べるべきだと浜岡原発の危険性に警鐘を鳴らしています。東海地震の震源域の真上に立つ浜岡原発は、日本一、世界一危険な原発! 永久停止=廃炉しかありえません。
今日30日静岡市で、「浜岡原発の再稼働を許さない静岡県ネットワーク」の総会と、地質学者・塩坂さんの講演会がある。僕は総会の司会を担当することになっている。皆で活発な議論をし、浜岡原発を絶対に再稼働させない=永久停止=廃炉に持って行く戦略を打ち立てたいと考えている。
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