原発災害広域避難計画の策定は無理 絵に描いた餅
昨日27日、静岡県危機管理部原子力安全対策課との意見交換会を開いた。それに先立ち、upz市民団体交流会が1月末に出したタイトルの問題に関する要望・質問書に対する文書回答があった。
スクリーニング(避難する際にどれだけ放射能を浴びているか測定、除染する)に要する器材は、人体測定では体表面汚染モニターは2台しかないことが判明。
この機材は1台が数百万円もする。一人の測定に約15秒から30秒で計ることができる。県の計画では、スクリーニング実施個所は16か所。これでは少ないので4か所も検討中。
しかし、たったの2台! これを補う測定器は100台。 僕は2月16日、磐田市の竜洋海洋公園で行われた避難訓練でこの測定器を使ったスクリーニングを見学したが、人体(衣服の上から)の15センチ四方しか測定できない。体のあちこち、後ろ、脚の部分に測定器を近づけ図る。
一人当たり約5分かかる。 一つのスクリーニング実施場所に数万人が集まる。どれだけの時間がかかるか?
車の汚染を図る車両ゲートモニターは、11台しかない。 竜洋の訓練では、人間が測定する小さな器材でやっていた。バスの車体に器材を近づける手法だ。訓練では放射能汚染をウエスでふき取る作業も合わせてやっていたので、正確な時間は分からなかったが、測定だけで5分(数人でやっていた)ぐらい要していた。
避難は車となっている。1か所に数万台。 県の当局者に僕が指摘したのは、車の運転手はスクリーニングが完全に終わるまで車を離れることができない。終了後、どこかに車を移動させ、自らも人体の汚染を調べるところに行く。一方車に同乗していた家族は先にスクリーニングを受け、車をとめてあるところに行く。大混雑の中で、自分たちの車を探す。
運転手がスクリーニングを終え、車に戻るまで、車は留置かれる。例えば、東名の浜名湖サービスエリア。普段、休憩のトラックや車で、駐車場の半分以上がふさがっている。
そこへ避難車両が数万台押し寄せる。推測だが、一台の車とその同乗者がスクリーニングを完全に終え、その場を立ち去る(トイレに行く時間を入れ)のに、早くて15分から20分。遅い家族は30分ぐらいかかるだろう。
順番待ちの大渋滞!
とても避難できないことは明瞭である。
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