2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ

« 2022年4月 | トップページ | 2022年6月 »

2022年5月

2022年5月25日 (水)

75歳の誕生日ーーーここまで生かしていただき、感謝。今後の人生は?

 今日5月25日は僕の誕生日。満75歳になる。思いは複雑。行政の定義では、世間・社会の感覚では、後期高齢者の仲間入りです。自分の感覚・気持ちでは、「とんでもない! 僕は高齢者ではない!」 「高齢者扱いはご免だ。」 

 孫たちには、「じじい・爺」と呼ばせない。「おじいちゃん」と呼んでね、と言い含め、孫にだけは高齢者扱いを許している。しかし、どうあがいても、年齢をごまかすことはできない。

 運転免許証の更新をした。自動車学校で認知症かどうか、運転技術は大丈夫かのテストを受け、合格したので晴れて更新できた。3年間有効。しかし、3年後、また同じテストを受け、不合格だと車を手放さざるを得なくなる。

 人間ドックの助成金が1万円しかもらえない。駆け込みで予約したら、25日までは予約がいっぱいで断られた。昨年は10月上旬に受けたので、今年もその時期に受けざるを得ないが、自己負担が大きくなる。

 国民健康保険は、「あなたは後期高齢者だから、もう人間ドックで予防検診の努力をしてもムダですよ?」と言われているようだ。正直、あまり75歳の誕生日を率直に祝う気分になれない。

 しかし、万事、気持ちの持ちよう。「無事、75歳の誕生日を迎えることができた! ありがたい。丈夫な体を持った僕を生んでくれた母や育ててくれた父に感謝。迷惑をかけ続けている妻にも感謝!」「ここまで生かしていただき、ありがとうございます!」と自分に言い聞かせ、喜んで今日を迎えたいと思う。

 75年の歳月は、戦後日本がたどってきた歴史とも重なる。憲法が施行されて、今年は75年になる。僕は憲法と共に生きてきた。しかし、今、憲法は危うい。日本の国のあり様も危うい。

 バイデン米国大統領が日本にやってきて、日米首脳会談・クワッド4か国首脳会談を行い、岸田首相はその後の記者会見で、「日米の拡大抑止力を強化する。そのため相応の軍事費の増大をする。敵基地攻撃能力保有の検討もする。日本が東アジア・南アジア・インド太平洋地域の防衛に積極的に貢献する。」と、国際社会にアピールした。バイデン大統領の満足げな表情が世界に流れ、アメリカの中国封じ込め軍事・政治・経済戦略に、日本が積極的・主体的に貢献すると国際世界に約束した。

 今朝インターネットニュースによると、24日、ロシアと中国の爆撃機4機が、日本周辺を共同軍事演習を行い、それに対し、岸防衛大臣が抗議と懸念の意思を中国とロシア政府に伝えたとのこと。

 75歳の誕生日の日本を取り巻く環境は、お祝い環境でなく、戦争に向かう極めて危険な状況にある。戦後日本が歩んできた平和国家が無残にも壊されようとしている。残された人生、後何年生きられるか、後何年反戦平和活動を継続できるか、元気に多様な市民活動・ボランティア活動を継続できるか、正直なところ分からない。

 願望は明確です。80歳まで現役で今やっている・やれている全ての活動をやりたい! それまで元気な体と精神・心を持ち続けたい! 80歳の誕生日を無事迎えたい! それまで頑張る!!!

 昨夜、娘から誕生祝が届いた。これまで飲んだことがない、超高級なお酒。今晩、妻とこの酒を飲みながら、しみじみ誕生日を味わいたい。

 

2022年5月17日 (火)

14日の写真

 まだブログへの写真アップに慣れていません。文章にアップしようと努力したのですが、アップ出来ていなかったので、再度トライします。

菅直人さんに聞く会及び脱原発自然エネルギー推進静岡・議員の会

         総会プログラム

13:55 主催者挨拶 三上元

14:00 菅直人さん講演会・質疑応答

15:30 休憩

15:40 議員の会総会

  ・代表あいさつ

  ・議員の会会則の確認

  ・菅直人さんから議員の会への具体的なアドバイス

  ・議員として何ができるのか・何をしなければならないか、

   菅直人さんのアドバイスを受けて議員間討議

  ・討議のまとめとして、議員に会今後1年間活動計画確定

  ・会計報告

  ・時間が許せば出席議員1分間以内自己紹介

17:00 閉会

  *議員以外の方も議員の会総会に傍聴人として参加できます!

  *菅直人さんの本を会場内で購入できます!

浜岡原発を停止した男=菅直人さんに聞く会を開催報告

 脱原発自然エネルギー推進静岡・議員の会を、元湖西市長三上元さん(現在は湖西市議)とともに立ち上げ、5月14日、清水区のマリナートで、菅直人さんに聞く会&脱原発自然エネルギー推進静岡・議員の会総会を開催した。

 172名の参加があり、議員は27名参加。僕は司会進行と、当日会場準備や受付で配布するプログラムや会の規則、その他原発関連の資料やチラシ類などを用意する作業分担を担った。

 正直、議員の会はよちよち歩きの状態。人手不足を県ネット世話人の応援で補わせてもらった。菅直人さんの脱原発ー原発廃止=再生可能エネルギーへの転換の考えは明確であり、講演でもきちっと話され、とても好評だった。

 会場からの質疑もたくさんあり、一つ一つ丁寧に答えてくださった。議員の会総会にも参加いただき、議員からの質問に答えてくれた。マスコミは静岡新聞と朝日が翌日菅直人さんの写真を掲載して報道。小さい扱いだったが。

 今後の課題は、議委の会員を増やすこと。具体的な活動を積み上げることに尽きる。幸いにも、松谷静岡市議から、汚染水海洋放出反対の意見を議員の会として国・東電に出してはどうかとの提案があり、満場一致で採択。具体的行動の一つが確定した。

 今日、その案文を作成します。

 

2022年5月16日 (月)

歴史の目撃者ーーー平和憲法・9条改悪の加速化

 今、保守政党、保守的国会議員、それを支持する全国の政党支部や事務所の中心的な人々、保守的なマスコミ、学者、エセ文化人などが、憲法改悪の世論形成に、ウクライナ戦争を最大限利用している。

 目の前の戦争は、人々を不安にさせ、声高く「国を守る」「国民の命と財産を守る」「平和な生活を守る」「安心安全な日常生活を守る」と主張する改憲論者に騙される一般大衆を作り出す。

 各報道機関の憲法改正に関する世論調査がそれを証明している。ウクライナ戦争が9条に自衛隊を明記することを支持賛成する数字を押し上げている。緊急事態条項を憲法に書き込むのを支持賛成する数字を押し上げている。

 自民党及び日本国民会議の戦略は、効を奏している。実際に戦争が起きているのだから、日本もウクライナのようになりうる。国を守るには、きちんと自衛隊を憲法に明記するのは当然でしょう。非常時に、国会で長々論じて何かを決定するなんてそんな時間的猶予はないでしょう。内閣がタイムリーに緊急事態に対応できるように、法体系を整えるのは当たり前でしょう。

 自然災害もいつ起きるか分からない。戦争も同じ。国家と国民の非常時=緊急事態時に、それに備える法律を整備する=憲法に明記するのは、責任ある政党=国民に責任を負う政治家として、当然の責務でしょう。

 それをやらない、反対する政党・国会議員・学者連中は、無責任・無能力だ! 

 こうした世論を改憲派は時間をかけて形成してきた。今がチャンスと7月の参議院選挙で、改憲派の国会議員を4分の三以上に増やそうと、全国各地の政党支部・事務所は彼らなりの”努力”をしている。

 それに対して、憲法を守る立場の政党は、遅れに遅れを取っている。戦略がない。立憲民主党は一枚岩でない。本気で9条を守る意欲に燃える国会議員や立候補者はどれぐらいいるのだろうか?

 共産党は党組織はしっかりしているが、支持の広がりはない。社民党は、党組織そのものが脆弱。地域で手足となり活動できる運動家は、極めて少ない。頼れる労組も皆無。今回の参議院選で2%の投票率を確保できなければ、党そのものが国の交付金を受ける対象でなくなる。政党の要件を満たさない政党の烙印を押される。

 連合も危うい存在になりつつある。自民党にすり寄りつつある。労働者=働く人たちの権利や賃金・待遇・人権を、本当に守る組合でなくなりつつある。ウクライナ戦争が連合首脳=ダラ幹部=組合貴族の連中の憲法順守感覚を忘れさせている。いやもともとそのような考えを持っていなかったのかもしれない。憲法を体現した現場での労働運動の経験がないからだ。

 今、僕らは極めて危機的な状況にある。それを目撃している。しかし目撃して何もしないわけにはいかない。色々なやり方がある。立ち場により、能力により、置かれた状況により、できることをやればよい。

 僕は5月三日袋井市での池内了講演会で、先生から「憲法に自衛隊を書き込むことは、次に自衛隊法を改正して、自衛隊員が海外の戦闘で外国人を殺傷しても、一般の裁判でなく軍事法廷で裁かれるようにするだろう。現行の法体系では、それができない。自衛隊は法律的には軍隊ではない! しかしいったん憲法に自衛隊を明記すると、軍事法廷設置が可能となる。」「憲法学者はなぜこのことに触れないのか不思議だ。」と教わり、眼から鱗だった! そうなんだ。安部が自衛隊明記を叫ぶ狙いはここだ! 改憲派は絶対にこのことを言わないのは、言えば不都合な真実が国民に伝わり、憲法改悪の機運に水を差すことを知っているからだ。この重大なことを、池内了先生から学んだ。

 護憲派の僕たちは、軍事裁判=軍法会議に道を開く憲法改悪反対をもっと声高く訴える必要がある。戦前の大日本帝国陸軍・海軍は、まさに軍法会議により守られてきた歴史的事実がある。軍人が時の首相を襲っても、中国で東京の軍司令部の許可なしに中国軍を攻撃して天皇を激怒させても、軍規律=軍の法律違反を犯した軍人の責任はあいまいなままにされた。それが軍人の特権を支えた。やりたいほうだいを許したのが軍法会議である。

 逆に、国の方針=軍の方針に批判的な軍人は、軍法会議で裁かれた結果、悲惨な刑罰を受けた。人権は守られず、弁護士もつけられず、軍人の裁判官に裁かれた。

 その再現が、憲法に自衛隊を明記する結果起こりうる危険性を、僕たちは多くの人に伝え、訴え、憲法改悪反対の運動を、草の根的に広げる必要がある。

 僕は中村哲医師写真展を静岡県内各地で開催するよう、色々な人たちに働きかけているのも、まさに中村哲さんの生き方、やってこられた活動=平和憲法を体現したアフガニスタンでの苦闘と緑の大地を蘇えさせ、65万人の平和で安定した生活を保障させている実績を、多くの人たちに知ってもらうことが、草の根護憲運動につながると確信しているからである。

 今、それと並行して、沖縄に関する企画を立案し、まず親しい人たちに相談している。色々ブログに書きたいことがあるので、いつか、仮称{沖縄チャンプルー展ーー沖縄復帰50年を問う}企画案と実際にその企画がどこまで進んでいるのかについて書きます。 この企画も草の根的にやります。   「歴史の目撃者」はひとまず修了します。

2022年5月 6日 (金)

歴史の目撃者ーー日本政府と保守政治家の対応=歴史の転換点=戦後日本の平和国家としての歩みを否定

 ウクライナ戦争は、日本政府と保守的政治家にとり、ある意味チャンスとなりつつある。連日報道されるロシアの戦争犯罪、無差別殺戮、問答無用・対話が通じない、約束違反、国連に対しても人道回路=市民救出の取り決めを守らない、ウクライナの人々の苦境が、日本の権力者たちにとり、憲法改悪=専守防衛から攻撃的自衛隊(軍隊)への変貌、緊急事態条項を憲法に書き込(内閣)が何でもできる大権を獲得するチャンスとなりつつある。

 歴史の目撃者として、政府と保守政治家の対応や発言を見る。外交で解決しようとしない。日本国憲法は、国際紛争の解決手段として武力=戦争を否定し、平和的手段つまり外交を通じて問題の解決を図るとしている。法令順守の政府や政治家ならこの規定に従う義務を感じて、まずはあらゆる外交手段を駆使してロシアに、ロシアに影響力のあるインドや中国に、まずは停戦に向け積極的に働きかけるべきだ。

 しかしこの努力は一切なされていない。国家として憲法の規定を無視している。逆に、戦後保守政府でさえも抑制的にしてきた軍拡を一挙に成し遂げようとしている。専守防衛の完全否定が攻撃的能力の保有路線だ。ロシアの脅威・中国の脅威・北朝鮮の脅威を最大限あおり、国民に恐怖感を植え付け、マスコミを最大限利用して、敵が日本に破壊的なミサイルを撃つ前に相手基地をたたく、さらに司令塔(敵の軍本部、アメリカなら国防総省ペンタゴン、日本なら市ヶ谷の防衛省、さらに政府中枢機関、日本に例えると首相官邸や国会、政府機関が集中する霞が関いったいのビル群など)を、壊滅的に攻撃破壊できる能力を保有することを目指そうとしている。

 これは非常に危険な方向性だ。政府が本気で取り組めば、軍事技術的には比較的早くその能力は獲得できる。これまで日本は宇宙の平和利用=宇宙開発と称して、ロケットや人工衛星をたくさん打ち上げてきた。その技術は世界トップレベルである。確実に、狙った標的つまり北京・平城・モスクワの司令部を攻撃・破壊できるミサイルの開発は可能である。

 アメリカから爆買いすることも可能だ。バイデンとアメリカ政府及びアメリカの軍需産業は大喜びだ。

 日本の軍需産業もチャンスと勢いずく。自衛隊トップや保守政治家どもも、万歳だ。悲願達成と大喜びだ。

 安部元首相の{核共有論}が、広がりを持ちつつある。岸田首相さえ、その検討議論を容認。日本維新会や国民民主党、立憲民主党の泉田党首さえ、その検討を声高く言い始めた。

 これは戦後日本が歩んできた「核兵器廃絶」の国是を完全否定する動きだ。アメリカの核抑止力で日本を守ってもらう、しかし日本自身は核開発は絶対にしない、保有や持ち込みさえ認めないのが、国是だった。

 しかし政府が世界と日本国民に約束してきたことを、公然と否定し、アメリカ軍の核兵器を日本に持ち込み・保有し、それを日米共同で管理するのが、核共有論だ。核シエアともいう。

 核を持つには運搬手段も持つということだ。超距離射程のミサイルを保有することを意味する。これは敵基地攻撃能力保有とリンクしている。しかも実際に使える核兵器、具体的には、威力の小さい小型核兵器・敵基地破壊や敵部隊せん滅のための戦術的核兵器を保有して、いつでも瞬時に発射できるシステムも保有することを意味する。

 つまりアメリカやロシア、中国などが実際にシステムとして核兵器を使えるようにしているのと同じ能力を、日本も日米軍事同盟の強化・深化として持つことを意味する。

 唯一の被爆国(これは正確ではない。核実験により被ばくした南太平洋の島や核開発で被ばくしたアメリカ人や当時ソ連圏の住民もいる)として、国際社会に核兵器廃絶を訴えてきた戦後日本のあり様を、根本的に変える暴挙となる。

 実は保守政権が一貫して原発保有・再稼働を進めてきた隠された理由は、自前の核兵器開発である。核技術を保有する・その技術者を養成する真の目的は、核兵器開発能力を維持し発展させるためである。

 ウクライナ戦争が、この隠された自前の核保有・運搬手段保有を、有利に後押ししている。

 軍事費増大の声があたかも当然であるかのように、政界だけでなく誤った世論形成の結果、日本社会に拡散拡大している。自民党が正式に政府に対し、防衛費を国内総生産の2%まで引き上げを提言した。岸田首相はそれを検討すると約束。5年以内に2倍にする。現在5兆4000億円。約10兆円になるが、正確な金額は約12兆円。補正予算で毎年アメリカから爆買いする兵器の支払いをしている。それが約6000億円。中日新聞はきちんとそれを報道しているが、NHKなどは全く報道しないので、一般国民は知らない。

 日本の国の予算は約100兆円。1割以上が軍事費となる。限られた予算から巨額の軍事費を支出することは、福祉・医療・教育・災害対応など国民生活に絶対に必要な予算が削られることにつながる。

 軍が栄え、国民は窮乏する。仮想敵国が日本をどう見るか? 日本は脅威となる。当然相手側も軍拡に走る。ピタリと日本の原発を確実にいつでも破壊できる体制を整えるだろう。

 軍拡が逆に日本の安全を危うくする。今回は憲法改悪について詳しく書けなかったので、次回触れます。

2022年5月 2日 (月)

歴史の目撃者ーーーウクライナへの軍事支援強化は戦争拡大・激化を招く

 アメリカを先頭にヨーロッパ各国は、ウクライナへの軍事支援をしている。最初は小火器(銃や弾薬)、戦車を破壊する兵器、ヘリや低空で攻撃する戦闘機を打ち落とす防御的な兵器などだった。日本は防弾チョッキや防毒マスクを支援した。

 ところが3月下旬から4月にかけて、戦車や装甲車両、射程が長い大砲(米軍が使用しているりゅう弾砲)、ドイツが開発した走行しながら戦闘機を打ち落とせる対空砲車両など、より攻撃的な、つまりロシア軍をせん滅できる強力な武器を支援するようになっている。

 これは戦争の激化=双方の死傷者の増大=ウクライナの都市や街、村の破壊=避難民の増大を招くのは明らかだ。ロシイア・プーチンは、欧米の軍事支援に反発し、さらなる破壊的兵器の使用も検討していると警告している。

 軍事力で事態を打開するのは、戦争で勝つほかない。ロシア側は占領地区を拡大し、それを固定化し、ロシア化を進める。既成事実を積み上げ、停戦交渉を有利に図る戦略だ。

 ウクライナの大統領ゼレンスキー氏は、徹底抗戦を国民に呼びかけ、世界にさらなる軍事支援を要請している。しかし軍事大国ロシアに戦争で勝利するのは不可能だ。領土からロシア軍を追い出す戦略だが、一方的に独立宣言させた地域からロシア軍を撤退させるのは、そう簡単ではない。ロシア支配地域にウクライナ軍が本格的に攻撃する事態になれば、プーチンは核兵器を使うかもしれない。戦略爆撃機で無差別空爆に踏み切るかもしれない。双方、引くに引けない泥沼戦争になる恐れがある。

 こうした最悪の事態を密かに喜ぶのは、アメリカ、イギリス、フランスなどの軍需産業だ。市の商人たちだ。そして実はアメリカ政府と米軍だ。

米軍の最高責任者は、公然と「ロシアの弱体化」を言い始めた。それを受けて、バイデン大統領は、日本円にして4兆3000億円のウクライナ長期支援のための追加予算を議会に要請した。

 アメリカ政府はすでに1兆8000億円をウクライナに支援している。報道によると、追加軍事支援204億ドルは、2021年度ロシア軍事費の三分の一に相当する。

 アメリカの戦略を僕はこう見ている。ウクライナ戦争を利用して、ロシア軍を弱体化させる。ロシア経済を弱体化させる。プーチンを大統領の座から引きずり落とす。ロシア国民が反プーチンのデモで大統領辞任に追い込むまで、戦争を継続する。それまでは高くつくがウクライナへの軍事的、経済的支援を続ける。いわば代理戦争として位置づける。

 国連は時に利用するが、安保理拒否権は手放しはしない。ロシアが拒否権を行使して、停戦・撤退に応じなくても、かまわない。国連改革などみじんも考えていない。

 イラク・アフガン戦争で使った有志連合、具体的にはNATO諸国や日本、韓国などを巻き込み、アメリカの世界戦略のために、徹底的にウクライナ戦争を利用する。つまり自国のためだ。

 この戦略に基づいた情報戦略が、宇宙空間から手に手を取るようにロシア軍の動きを監視し、それをウクライナ軍に提供している。アメリカが提供する攻撃的兵器の精度を高めるため、すでにそれは戦闘で活かされている。

 テレビや新聞、週刊誌、スマホで流され報道される映像・写真なども、アメリカが提供している場合が多い。ウクライナからのフェイスブック投稿映像なども、アメリカが支援している。ゼレンスキー大統領が実に効果的に記者会見をしてその映像が世界に発信され続けているが、これもアメリカの民間企業が支援している。記者会見の場所が破壊された街であったり、薄暗い場所であったり、服装も庶民的なTシャツなど大統領に見えない服装をいつもしているのも、戦時大統領のイメージを世界に植え付ける戦略からだ。

 毎日繰り返し繰り返し、ウクライナの被害、避難民の涙・悲しみ、破壊された建物、ロシア軍の残忍さを示す証拠映像や写真が、世界中に提供されている。これも軍事支援の正当化や、ロシアを弱体化させる戦略の一環だ。

 実に巧妙である。人道的支援や平和を本当に考えるなら、これ以上死傷者を出さない、戦闘を戦線を拡大させない、ウクライナの国土をもうこれ以上破壊させない、避難民をもうこれ以上出さない、停戦を呼びかけるのが大切だと思う。しかしアメリカがそうしないのは、最初に指摘したようにアメリカの本音は別のところにあるからだ!

2022年5月 1日 (日)

歴史の目撃者ーーーウクライナ戦争の実態は良くわからない 映像で・報道で見る戦争はごく一面

 テレビで報道されるウクライナの被害の実態は、真実だと思う。ロシアが主張する{フェイク=うそ}ではない。国外に避難した500万人以上(数はそれ以上かも?)の人々の苦しい状況の映像も、真実だ。

 僕たちは、世界中の人びとは、こうした映像・報道に毎日接して、ウクライナへの同情や、ロシア・プーチンへの怒り、我が家を追われ・生活仕事を奪われ・難民となっているウクライナの人たちに、何か支援をしたい、見過ごすことはできないと感じている。

 しかし、ウクライナ戦争の実態を皆知っているわけではない。実際の戦闘場面に接するのは、双方の軍人・戦闘員だ。危険だから海外の報道関係者が現場に行くことは不可能。ウクライナ側の報道関係者は、従軍記者として戦場に入っているかもしれないが。戦線が拡大し、一つ一つの戦争現場を正確に目撃するのは、不可能に近い。

 ウクライナ軍がどのように戦っているのかも、部分的な映像がちらりと流されるが、全体像は把握できない。まして、ロシア側の状況は良くわからない。破壊された戦車などの映像が流れ、アメリカ政府や軍の幹部から「ロシア軍は苦境にある。食料や燃料の補給もままならず、ロシア兵の戦意は落ちている。厭戦気分が広まっている。」とのコメントが流され、プーチンが当初考えた作戦がうまくいっていないのは事実だろう。

 ロシア兵による略奪報道は、恐らく真実と思われる。日本軍もかつて中国の進軍する村々で、中国人の家々に押し入り、食料を奪い、豚や鶏を奪い、きれいな服など奪った。僕は徴兵で中国に派兵された父から、その実態を聞いている。日本軍の場合はそれが軍の作戦だった。兵隊は食料現地調達を命じられていた。ロシア兵の略奪の理由は、恐らく兵士の貧しさからと思われる。

 ロシア兵による女性への性暴力の全体像は、良くわからない。 ウクライナ側の報道では、被害を受けた家族の証言もあり、被害があったのは事実と思われる。被害の数はわからないが、数の問題でなく戦争犯罪として、被害の実態を国際機関が調査し、国際刑事裁判所でロシア軍の責任者を処罰すべきだ。

 ロシア兵による虐殺の実態は、これも国際機関が現地に入り、調査する必要がある。被害者の数や、どういう状況で起きたのか、軍司令官の命令で起きたのか、末端の兵士が戦場での異常な精神状態からむこの民多数を殺害したのか、正確な調査が待たれる。

 虐殺とニュアンスが似ているが、一般の民衆(ウクライナの市民、武器を持たない人々)をロシア兵が殺害した報道も良く流れる。ロシア軍が撤退した街や村の住民の証言だ。僕は目撃者の証言はそのまま信じたい。侵略戦争では、ほぼすべての戦場で、ベトナム、イラク、アフガニスタンで、子どもや女性、老人も多数殺された。戦争だから兵隊・戦闘員同士の殺し合いはあるが、しかし捕虜になった兵は殺してはいけない。まして民間人を殺害することは、戦争犯罪になる。国連憲章にきちんと書かれている。

 外国で戦争する兵士にとり、敵は相手側の兵士だけでない。民間人も自分を撃つかもしれない・敵軍に自分たちの居所を流すスパイと、恐怖感に襲われる。武器を持っていないのに、ちょっとした民間人の動作を自分を撃つ準備・攻撃する準備と錯覚して、やられる前に殺す、これはイラク・アフガニスタンに派兵された米軍兵士によくあったことだ。しかし彼らは戦争犯罪に問われることはなかった。

 日本軍もかつて中国で同様な戦争犯罪を犯している。しかし、その罪は問われることなく、生きて帰れば時には英雄として、不幸にも命を落とせば英霊として、迎えられた。

 映像で流されるアパートや家々の破壊、廃墟とかした街、燃える建物、道路の死体、水道や電気がなく薪で炊事する市民、マリウポリの製鉄所地下深くに避難している人々の映像を見るのはつらい。これが戦争だと、世界中の人々が心を痛めている。戦争反対・ロシア軍撤退・即時停戦を叫びたい!

 しかし、この戦争は長く続く恐れがある。それを後押ししているのが、アメリカだ。アメリカ政府の圧力で、経済制裁だけでなく軍事支援をしているNATO諸国だ。次回は特に軍事支援の問題性について考察を深めたい。

« 2022年4月 | トップページ | 2022年6月 »