2024年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ

« 歴史の目撃者ーーーウクライナへの軍事支援強化は戦争拡大・激化を招く | トップページ | 歴史の目撃者ーーー平和憲法・9条改悪の加速化 »

2022年5月 6日 (金)

歴史の目撃者ーー日本政府と保守政治家の対応=歴史の転換点=戦後日本の平和国家としての歩みを否定

 ウクライナ戦争は、日本政府と保守的政治家にとり、ある意味チャンスとなりつつある。連日報道されるロシアの戦争犯罪、無差別殺戮、問答無用・対話が通じない、約束違反、国連に対しても人道回路=市民救出の取り決めを守らない、ウクライナの人々の苦境が、日本の権力者たちにとり、憲法改悪=専守防衛から攻撃的自衛隊(軍隊)への変貌、緊急事態条項を憲法に書き込(内閣)が何でもできる大権を獲得するチャンスとなりつつある。

 歴史の目撃者として、政府と保守政治家の対応や発言を見る。外交で解決しようとしない。日本国憲法は、国際紛争の解決手段として武力=戦争を否定し、平和的手段つまり外交を通じて問題の解決を図るとしている。法令順守の政府や政治家ならこの規定に従う義務を感じて、まずはあらゆる外交手段を駆使してロシアに、ロシアに影響力のあるインドや中国に、まずは停戦に向け積極的に働きかけるべきだ。

 しかしこの努力は一切なされていない。国家として憲法の規定を無視している。逆に、戦後保守政府でさえも抑制的にしてきた軍拡を一挙に成し遂げようとしている。専守防衛の完全否定が攻撃的能力の保有路線だ。ロシアの脅威・中国の脅威・北朝鮮の脅威を最大限あおり、国民に恐怖感を植え付け、マスコミを最大限利用して、敵が日本に破壊的なミサイルを撃つ前に相手基地をたたく、さらに司令塔(敵の軍本部、アメリカなら国防総省ペンタゴン、日本なら市ヶ谷の防衛省、さらに政府中枢機関、日本に例えると首相官邸や国会、政府機関が集中する霞が関いったいのビル群など)を、壊滅的に攻撃破壊できる能力を保有することを目指そうとしている。

 これは非常に危険な方向性だ。政府が本気で取り組めば、軍事技術的には比較的早くその能力は獲得できる。これまで日本は宇宙の平和利用=宇宙開発と称して、ロケットや人工衛星をたくさん打ち上げてきた。その技術は世界トップレベルである。確実に、狙った標的つまり北京・平城・モスクワの司令部を攻撃・破壊できるミサイルの開発は可能である。

 アメリカから爆買いすることも可能だ。バイデンとアメリカ政府及びアメリカの軍需産業は大喜びだ。

 日本の軍需産業もチャンスと勢いずく。自衛隊トップや保守政治家どもも、万歳だ。悲願達成と大喜びだ。

 安部元首相の{核共有論}が、広がりを持ちつつある。岸田首相さえ、その検討議論を容認。日本維新会や国民民主党、立憲民主党の泉田党首さえ、その検討を声高く言い始めた。

 これは戦後日本が歩んできた「核兵器廃絶」の国是を完全否定する動きだ。アメリカの核抑止力で日本を守ってもらう、しかし日本自身は核開発は絶対にしない、保有や持ち込みさえ認めないのが、国是だった。

 しかし政府が世界と日本国民に約束してきたことを、公然と否定し、アメリカ軍の核兵器を日本に持ち込み・保有し、それを日米共同で管理するのが、核共有論だ。核シエアともいう。

 核を持つには運搬手段も持つということだ。超距離射程のミサイルを保有することを意味する。これは敵基地攻撃能力保有とリンクしている。しかも実際に使える核兵器、具体的には、威力の小さい小型核兵器・敵基地破壊や敵部隊せん滅のための戦術的核兵器を保有して、いつでも瞬時に発射できるシステムも保有することを意味する。

 つまりアメリカやロシア、中国などが実際にシステムとして核兵器を使えるようにしているのと同じ能力を、日本も日米軍事同盟の強化・深化として持つことを意味する。

 唯一の被爆国(これは正確ではない。核実験により被ばくした南太平洋の島や核開発で被ばくしたアメリカ人や当時ソ連圏の住民もいる)として、国際社会に核兵器廃絶を訴えてきた戦後日本のあり様を、根本的に変える暴挙となる。

 実は保守政権が一貫して原発保有・再稼働を進めてきた隠された理由は、自前の核兵器開発である。核技術を保有する・その技術者を養成する真の目的は、核兵器開発能力を維持し発展させるためである。

 ウクライナ戦争が、この隠された自前の核保有・運搬手段保有を、有利に後押ししている。

 軍事費増大の声があたかも当然であるかのように、政界だけでなく誤った世論形成の結果、日本社会に拡散拡大している。自民党が正式に政府に対し、防衛費を国内総生産の2%まで引き上げを提言した。岸田首相はそれを検討すると約束。5年以内に2倍にする。現在5兆4000億円。約10兆円になるが、正確な金額は約12兆円。補正予算で毎年アメリカから爆買いする兵器の支払いをしている。それが約6000億円。中日新聞はきちんとそれを報道しているが、NHKなどは全く報道しないので、一般国民は知らない。

 日本の国の予算は約100兆円。1割以上が軍事費となる。限られた予算から巨額の軍事費を支出することは、福祉・医療・教育・災害対応など国民生活に絶対に必要な予算が削られることにつながる。

 軍が栄え、国民は窮乏する。仮想敵国が日本をどう見るか? 日本は脅威となる。当然相手側も軍拡に走る。ピタリと日本の原発を確実にいつでも破壊できる体制を整えるだろう。

 軍拡が逆に日本の安全を危うくする。今回は憲法改悪について詳しく書けなかったので、次回触れます。

« 歴史の目撃者ーーーウクライナへの軍事支援強化は戦争拡大・激化を招く | トップページ | 歴史の目撃者ーーー平和憲法・9条改悪の加速化 »