瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと 映画を見ての感想
浜松市のシネマイーラで、先日、映画「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」を鑑賞した。面白い。彼女の素顔や人生の一端、また瀬戸内さんの哲学・考えも改めて分かり、色々感じることがあった。
この映画に2人の女性を誘ったのだが、断られた。その理由もこれは想像だが分かるような気がする。
自分の思い・感情・心・魂・信念・気持ちに、正直に生きる。世間の価値観にとらわれず、自由に生きた瀬戸内寂聴さんは、すごい人だと思う。僕も最初は(50歳以前の話)、反発があった。恐らく映画に誘ってやんわり断った2人の女性も、夫や子どもも捨てて愛人の元に走った彼女の生きざまに、賛成できない思いのなのだろう。
しかし、僕は瀬戸内寂聴さんの法話(ユーキャンから箱入りのcdに収められた法話集を2箱を購入)を聞いてから、彼女のファンになった。とにかく面白い。話に明るさとユーモアがあり、生きる元気を与えてくれる。仏教の教えを分かりやすく解説してくれる。人生を深く・豊かに生きるヒントを与えてくれる。
映画の中に、寂聴庵の法話のシーンと東北のお寺での法話の場面が出てくる。津波で家族を亡くした方や病気で肉親を亡くした方たちが、彼女のお話を聞いて元気を取り戻し、前向きに生きる希望を持つ(その後のその方の人生は具体的には分からないが、映画での表情からそう判断できる)。人々に自分の生きざまを晒して、それを小説にし、新聞雑誌に書き、文章で、法話で、時には反戦デモや国会前での集会に車いすで参加して、社会に大きな影響を与え続けた瀬戸内寂聴さん。
99年の人生に彼女は悔いはないであろう。凡人の私たちにはそのような人生を生ききるのは難しいが、「生きていて良かった」、「与えられた人生に感謝して、何歳になっても希望とどん欲な好奇心を持って生きていこう」と、元気を勇気を与えてくれる瀬戸内寂聴さんの死を惜しみ、多くの人にこの映画を見ることをお勧めします。
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