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2023年11月 1日 (水)

#沖縄辺野古 代執行訴訟 玉城デニー知事の意見陳述全文を読んで 公益について考える

 31日、那覇空港で琉球新報を買い求め、飛行機の中で、玉城デニー知事が法廷で述べた意見陳述全文を読んだ。素晴らしい内容だ! 沖縄が沖縄戦に始まり戦後ずーと受けてきた日本政府による沖縄の自主性・自立性・自治を認めない差別政策、政府の都合の良い“えせ公益”を押しつけてきた歴史を、きちんと指摘している。

 日本政府のいう公益は、戦争時には本土を守ることであった。戦後は日本の独立と引き換えに、沖縄を米軍に差し出す事であった。1972年沖縄が日本復帰を果たした以降は、米軍の存在・広大な基地が日本を守る抑止力となる、つまり公益のためには米軍犯罪・基地公害・騒音・相次ぐ墜落事故なども我慢せよ、というものである。

 辺野古新基地建設もしかり。日本の安全保障という公益上必要だから、設計変更を承認せよ、承認しないことが著しく公益を害するっとの論理だ。

 これに対し、玉城デニー知事は、【 承認しない 代執行を認めないことが公益である! 新基地建設反対が沖縄の民意であり、それは選挙で県民投票で明確に示されてきた。その沖縄の民意こそが公益である 】と、堂々と述べられた。

 沖縄現地に通い続け、辺野古・大浦湾の美ら海にカヌーチームの一員として時々出ている僕は、この美しい海を守る・埋め立てを認めない・貴重な自然を守ることが公益だと確信している。豊かな海は日本国民全体の財産・宝である。人類・地球の宝物だ。これを守ることが、みんなの幸せにつながる。

 経済的にも大浦湾の自然を保護する=埋め立てを認めないことが、沖縄振興=観光産業にとり有益である。沖縄西海岸は開発により、自然な浜が減少し、以前に比べると水のきれいさも減少している。世界中から沖縄を訪れる観光客にとり、大浦湾は魅力あるスポットだ。グラスボート、カヌー、遊覧船、海水浴、ダイビング、磯遊び、釣り、水上スポーツなど、人々が楽しめるものが豊富にある。

 きれいな海を眺めながら、食事やお茶、会話を楽しむ施設はまだ少ないが、自然を破壊しない範囲で喫茶店・レストラン・プチホテル・民宿などが出来れば、多くの観光客や沖縄都市部にすむ県民が訪れ、経済効果は大きい。基地建設容認の辺野古区に住む人々も、利益を享受できる。

 漁民も大浦湾が埋め立てられたら、魚の産卵場所が大きな影響を受け、実害になる。警戒船で何もせずぼーと海に出ているだけでは、張り合い・漁師としての生き甲斐が得られないと思う。後継者も育たない。海に生きる誇りを取り戻すには、知事が不承認を貫くことが彼らの利益になる。

 沖縄県民にとり、いや日本全国の住民つまり国民にとり、いつ完成するか分からない、いくら税金が使われるかもわからない、米軍の戦略が変わり彼らが本当に必要としているのかも疑問符が付く、新基地建設をやめるほうがはるかに公益である。

 役に立たない、有害・無益な工事は公共事業ではない。公益を害するムダな事業にすぎない。国民が作ってくれと要望した事実はない。沖縄県民が基地負担軽減のため、普天間基地の代替基地として辺野古に作ってくれと政府に要請した事実はない。

 逆である。日本に住む民が望んでいない、特に地元沖縄県民がやめてくれ・基地負担軽減どころか基地強化であり、到底認められないと考え、その民意を受けて知事が不承認していることこそが公益であることを、デニー知事は明確に述べられている。

 三浦隆志裁判長はじっくり知事の意見陳述を聞いていたと新聞報道にあるが、知事や国側に質問することなく、わずか36分で審理を打ち切り、判決期日は追って指定すると告げて閉廷となった。恐らく知事の意見陳述を聞く前つまり裁判の前に、即日結審を決めていたのだろう。政府同様に、聞く耳を持たない姿勢が露わだ。多分3人の裁判官は本土出身だと思われる。政府が冷酷なら、恐らく彼らの出す判決も冷酷だろう。

 知事にとり、沖縄の人々にとり、イバラの道が続く。帰りの飛行機で思いついた。来年、玉城デニー知事を静岡県に招いて、トークキャラバンをやってほしい。琉球新報に、「県外の地方議員が声明」の小見出し記事が出ている。静岡、新潟、群馬、千葉、大分県の市町村議が声明文を公表。「一連の過程における政府の対応に強く抗議し、沖縄県の立場を支持する」「国は訴訟を取り下げ、県との対話に応じるべきだ」と意見表明。

 松谷清静岡市議からこの声明に名前を連ねてくれと依頼があり、僕も当事者である。松谷清さんたち県内議員に相談し、是非来年、デニー知事を招きたい。

 

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