#ある地方議会での出来事 経済的弱者に寄り添わない議員 市長の責任
9月30日が、袋井市議会9月議会最終日。僕は4つの議案が問題ありと、反対討論に立った。取り上げた市営住宅管理条例改正案への姿勢・考え・採決に関連して、他の議員や市長は本心で何を考えているのだろう? 市民に寄り添う、経済的に豊かでない市民に温かい配慮をする気持ちを持っているのだろうか、と、大きな疑問を持った。下記が僕が話した内容。読み上げ原稿のコピーなので、一部アドリブで話した内容は出ていません。採決結果は、僕を除く全議員が当局案に賛成起立で、残念ながら可決。
議第56・57号袋井市営住宅管理条例及び袋井市改良住宅等管理条例の一部改正案に反対討論
一般質問でも反対の論拠を述べましたが、改めて何故反対なのか、この後採決になりますから、特に議員の皆様方に正しい判断をしていただきたく、詳しく反対理由を説明させてもらいます。先ず押さえたいのは、公営住宅の目的です。住宅困窮者に低廉な家賃で住む所を提供するのが目的です。
平成17年に制定された袋井市営住宅管理条例第1章総則に、趣旨 第一条 公営住宅法に基ずくとの規定があります。公営住宅法は昭和26年に国が定めたものです。
次に定義第2条に市営住宅の用語規定があり、市が建設、買取りまたは借り上げを行い、低額所得者に賃貸しするための住宅 と書かれています。
第6条入居者の資格 (3)収入の所には、一定の金額を超えないこととあり、具体的な上限所得金額が規定されています。(4)には現に住宅に困窮していることが明らかな者であること、としています。第29条には、収入超過者は市営住宅を開け渡すよう努力しなければならないとあり、さらに第31条に、高額所得者に対して市長は明け渡し請求ができるとされています。
これらの規定から、明瞭に公営住宅は定額所得者・住宅で困っている人を対象にしていることが明らかです。
日本国憲法第25条「生存権、国の社会的使命」【すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない】 この規定に基ずき、現在では、県・市町公営住宅は社会福祉の面からも安価な住宅を供給する役割を担っています。
静岡県住宅供給公社は、連帯保証人なし、債務保証契約なしで県営住宅に入居できるように条例を改正しています。緊急連絡先を2カ所教えて欲しいとするだけです。
森町は、連帯保証人なし、債務保証契約なしで入居できるよう条例を改正し、2年前から実施しています。磐田市は昨年から。浜松市も同じように条例改正しています。湖西市は今年9月議会で債務保証なしで入居できるよう条例を改正しました。新聞報道でこれを知り、担当課に聞きました。担当課長が出てくださり、「市にとりリスクはあるが、入居者の負担を考慮して、債務保証契約なしで良しとした」と説明してくれました。流れは確実に保証人なし、債務保証契約なしで入居できるように改善措置が図られつつあります。
この流れは、現実問題として、公営住宅入居希望者の高齢化、外国籍住民の増加により、保証人が見つからない、収入が生活をするのにぎりぎりで、民間の債務保証契約を結ぶ経済的余裕がない実態があるからです。民間債務保証会社と契約するには入会時3万円、更新に毎年1万円必要になります。厳しい生活の中で家賃をきちんと払っていても、今回の条例改正により、今後新たに市営住宅・再開発住宅・改良住宅に入居される方は、例えば20年間入居されると23万円余分な出費を強いられます。
改正案の連帯保証人なし、同居する子供の年齢制限緩和で小学校就学の初期に達するまでを18歳に達するまでとする、また単身入居者が再開発住宅駅前団地の4,5階に入居する場合、18歳以上60歳未満まで拡大する改正は良いことですが、これは当たり前の改善です。問題点は、市が指定する債務保証会社との債務保証保険契約が義務付けられ、低額収入の市民に不利益になる点です。
また現在入居されている方の連帯保証人が死亡した場合や高齢で保証人であることをやめた場合、今回改正される条例が適用され、債務保証契約を結ぶ必要に迫られます。都市計画課の担当者に入居者が債務保証契約を結ぶ経済的余裕がなく、連帯保証人が見つからないケースが出た場合どうなるのか、市営住宅を追い出されるのかと、尋ねたところ、それは無いでしょう、しかし私には分かりませんと困った様子でした。
私が一般質問で、条例改正案の「これにより難いと市長が認める場合は、市長が別に定めるところによる」と規定している意味を質問しました。大場市長は、「家賃債務保証業者による機関保証への加入が困難な場合は、連帯保証人を確保することで入居を可能とする」と答弁しています。
連帯保証人なしにする条例改正案なのに、低額所得者に対し債務保証契約が経済的理由で困難な場合は、連帯保証人を付けなさいとするのは、自己矛盾です。
現在入居されておられる方は親族など連帯保証人がいますが、今後連帯保証人の高齢化で死亡したり、保証人をやめたいと申し出た場合、改正条例案では、入居者は救済されません。
実は、この問題を市営住宅に入っておられる方に知らせる必要がある、そして条例案に反対の市民の声を議会に届けようと、24日から27日まで、管理条例改正案に反対署名を集めました。私自身は忙しく、図書館の近くにある再開発住宅をほんの短時間回っただけですが、市営住宅に住む知人などの協力で、ほんの少しですが、合計66人分の署名が集まり、今朝、議長に報告し、提出しました。特に入居者 54 人の反対の声を尊重してほしいです。
以上るる述べましたが、改正条例案は市民に冷たい、福祉の面からも問題があり、到底賛成できません。
最後に来年4月は市長選・市議選があります。市民に寄り添わない・スマイルシティふくろいに沿わない条例案に賛成・可決した場合、大場市長・市当局・議会のイメージダウンは避けられないと懸念します。
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