#死刑制度について考えるーー元刑務官で弁護士・野口善國サンインタビュー記事を読んで
朝日新聞1月29日付けに、元刑務官で死刑に立ちあった経験がある弁護士・野口さんへのインタビュー記事が掲載されている。大きな見出しを拾う。「語られない死刑執行」 「立ち会ったあの日 残った救いのなさ 職場の誰もが沈黙」 「法によって奪う命」 「国民に知る義務」 「実情もっと公表を」
野口さんの想いが良く理解できる記事だ。彼は実体験から、軽々しく死刑制度賛成とか反対とか言えないが、先ずは実情をもっと多くの国民が知って、その是非をタブー視することなく考えて議論してほしいと語っている。
僕は以前から、真剣に死刑制度について考え、結論として、廃止すべきと考えている。無残に最愛の人を殺された遺族のお気持ちは理解できるが、犯人を死刑にしても、最愛の人は戻ってこない。恨みを果たしても、本当にそれで胸がすっきりするだろうか?
社会(世間)は、何人も殺した人間を罰として死刑にすることが、極悪犯罪を防止することにつながると考えるが、本当に死刑は殺人の「抑止力」になるだろうか?
人は思いつめたら、先のことに思いが及ばなくなり、愚かなことをしてしまう。理性を失い、人の命を奪う最大の人権侵害を犯す。人間とは愚かな存在だと思う。
「命で罪を償う」という考えで、死刑判決を受けても控訴しない人もいるが、生きて罪を償うと言う方法もある。刑務所の中で作業に精を出し、社会に役立つものを作る、労働で社会に貢献する、刑務作業の労賃の中から、遺族に損害賠償金を支払い続ける方法もある。
自分の体験を活字にして、世の中の人々に知ってもらい、犯罪を犯さない認識を広く共有してもらう。青少年に刑務所から出前語り部として話をしてもらうことも有意義だと思う。
死刑制度を廃止して、その人の反省の度合いや、やれる能力に応じて色々な社会貢献活動をやってもらうことが、その人にとっても、社会にとっても、遺族にとっても、良いのではと考える。
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