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2025年3月 8日 (土)

静岡県内の反(脱)原発=浜岡原発の再稼働を絶対にさせないための運動紹介

 東京多摩地区の市民ひろばという情報誌を発行している団体からの依頼で、下記の文章を作成し、編集部に送っておいた。3月1日発行の市民ひろばに掲載され、その冊子が僕の所に送られてきた。

 もうすぐ東電福島原発事故からまる14年を迎える。あの恐怖、避難され今なお苦しんでおられる被災者のことを忘れたことがない。全国の皆様も同じ思いだろう。

浜岡原発を抱える静岡県の再稼働を認めない運動

 静岡県内反原発運動の原点は、311日で14年目となる東電福島第一原子力発電所の過酷事故で、多くの福島県民が避難を余儀なくさせられ、故郷・生業・平穏な日常生活そのものを奪われた大惨事です。

 当時のテレビ映像やニュースなどに接しながら、「これは他人ごとではない! 東海地震震源域の真上にある浜岡原発は南海トラフ巨大地震が起きれば、もっとひどいことになる。」と、多くの県民が感じました。

 1970年代、当時の浜岡町に建設されることに対する反原発運動は、労働組合や政党・市民団体により行われていましたが、大きくすそ野を広げ、県内ほとんどの市町に脱原発市民団体が結成されたのは、2012年以降です。

 先ず、避難を強いられるUPZ圏内全てに市民団体が作られ、まとまって行動したほうが県や中電に強く対抗出来るので、UPZ市民団体交流会を立ち上げたのは、2012年末です。現在12団体で構成。

 その後県東部や伊豆半島にも市民団体ができ、県内全ての団体がネットで緩やかにつながる「浜岡原発の再稼働を許さない静岡県ネットワーク」を、2013年に立ち上げました。約55団体で構成しています。

 具体的な活動はそれぞれの活動を優先させ、まとまって取り組むのは、対県当局交渉や中電への抗議行動、3月11日前後に県下各地で一斉に取り組む「福島を忘れない」3.11アクション行動です。また学者や福島の代表的な方をお招きしての講演会も、一緒に取り組んでいます。

 活動で重視しているのは、政党支持や考えの違いがあっても「浜岡再稼働反対」この1点で一致できれば、どのような団体・個人とも仲良くやっていく「大同団結」です。

 もう少し具体的な活動を、最近の取り組み(予定含む)から過去にさかのぼって紹介します。

【3.11アクション】  今年3月11日午前には、UPZ市民団体交流会と浜岡原発の再稼働を許さない静岡県ネットワーク(以後県ネットと略称)が、静岡県危機管理部原子力安全対策課にそれぞれの要望及び質問書を出します。県ネットは知事宛て、UPZは担当課宛てです。回答は後日文書回答と意見交換を求めます。その後、県政記者室で記者会見を予定。

 午後1時に県庁広場に集まり、そこから中部電力静岡支店までパレード。県ネットから中電への質問書を出し、代表数名は中に入って中電課長クラスと意見交換もします。

 県下駅頭では、市民へのアピール行動もやります。土・日に市内パレードに取り組む団体や金曜日の夕方に金曜アクション行動としてやるところなど、それぞれの団体の力量や地域の実情に合わせています。県ネットのこの活動は毎年実施しています。

UPZ市民団体による対市町交渉】  原発災害広域避難計画は実行性に欠けるので、具体的な問題点や住民説明会開催要望、市町首長に再稼働には議会や市民の意見を聞くことを求める要望書などを出し、後日回答を文書でもらい、その際に行政職員や首長と意見交換しています。

 県当局にも何度か、質問・要望書を出し、文書回答をもらう際に意見交換しています。行政とのやり取りで注意しているのは、信頼関係です。敵”ではない、事故が起きたら同じ被害を被る、行政の人達も大変なことになる、特に市町のトップは住民の命と健康・生活や生業・財産を守る義務があるのだから安易に再稼働を認めることはあってはならない、このような認識に基づき行政交渉を粘り強くやっています。

 【中電社員とのやり取り、事故を起こしたら加害企業となる中部電力株式会社とのやり取り】  中電という会社はひどい会社です。UPZ市民団体交流会が質問書を浜岡事業所に2回出したことがあるが、1回目は浜岡電力館という宣伝のための施設内で、席を設けず立ったままでのやり取り。2回目は施設の外での対応。県ネットが静岡支店に抗議文や質問書を出す際には、建物の外、玄関での対応。ここ3年前からは4名以内と人数を制限して、中に入れるようになった。

 社長あての文書に会社としての回答は一切無し。静岡支店幹部が代わりに答えるだけ。一般社員にはできるだけ相手の人格を傷付けないよう配慮している。社員は私たちに本音を話すことはないが、恐らく本心では原発は危険でやめて欲しいと願っているだろう。 

【県ネット主催の講演会の講師】  夏の総会や冬の全県交流会に講師として招いた方たち。浪江町町長・馬場保さん。三春町の武藤類子さん。飯館村の長谷川健一さん。小出裕章さん。渡辺敦雄・原発設計者。桜井勝延元南相馬市長・現市議。黙っちゃおれん!原発事故人権侵害訴訟原告団団長・岡本早苗さんら。

【浜岡原発の再稼働を認めないで!県知事宛ての県下一斉署名集め】  恐らくこの署名運動が、県ネットが取り組んだ最大の事業である。この時は県ネットに参加する県内全ての市民団体がフル稼働した。2015年11月に第一次集約分172,407筆を提出。最終的に集まった署名は212,415筆。戸別訪問だけでなく、駅頭などでも宣伝を兼ねて署名集めをし、大きな盛り上がりがあった。マスコミも大きく報道してくれた。

 署名を集める過程で、県民の再稼働反対=原発に対する否定感情が良く理解でき、運動する側と一般県民との結びつきができ、また原発は危険・再稼働反対の世論形成に役立ったと思う。川勝県知事も再稼働できる状況にないとの表現で、県議会や記者会見で浜岡の再稼働には否定的な見解を退任するまで述べてくれた。

{議会で再稼働を止めるための運動}  市民運動ではないが、県下市町議会でも再稼働をストップさせるため、「脱原発自然エネルギー推進静岡・議員の会を2021年に立ち上げている。会員は約40名。

『裁判闘争』  市民運動を担っている人の中には、浜岡原発訴訟の原告になっている場合が多い。議員の会のメンバーも同じ。裁判、議会、市民運動を連携させ、浜岡原発の再稼働を絶対に阻止する陣形を築いているのが、静岡県の特徴です。

 報告者 竹野昇 (浜岡原発の再稼働を許さない静岡県ネットワーク世話人・浜岡原発を考える袋井の会代表・脱原発自然エネルギー推進静岡・議員の会事務局長・浜岡訴訟原告)

 

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