可児高校では、井藤勝夫教頭、奥田優奈教諭が対応してくれた。校長室で、模擬選挙の目的、実施方法、効果など、具体的な内容の説明を受けた。
議会及び市から協力を得て、可児市長選の模擬投票を二年に一度校内で実施している。
目的は、①18歳から選挙権が認められ、高校生の投票率をアップする、②自分たちが住む町のことを考え、市政や市の選挙に関心を持たせる,③卒業して他地域に住んでも、やがて故郷に戻って住む・仕事をすることができるよう、地域の魅力を生徒に知ってもらう、一言でいえば主権者教育。
方法は平成29年度の例によると、3月にテーマ決定。「戻ってきたい可児」
テーマを決めるのは、生徒、市議会議員、サポートするNPO法人緑塾との話し合いで。
4月、子育て、就職、健康の3チームを決定。
6月、チームごと調べ学習
7・8月、生徒・可児市役所3年目研修職員・市議会・緑塾の4者で、マニュフェストづくりやグループワーク進行など、細部を協議。
9月、全校生徒に事前説明会。
10月、選挙公報を生徒が作成。ポスターは生徒のデザインを基に、議会事務局が完成。選挙管理委員会が投票箱、投票用紙、記載台、計数機を提供貸し出し。
11月2日、3人の候補者立会演説会、グループ討論、投票、開票、選挙解説。
立候補者は、3年目研修の市職員。生徒と共に作ったマニュフェストを一人5分で演説。グループ討論には、保護者を含め地域の大人100名が、学年が異なる生徒のグループ(5名前後)105の中に一人入る。大人が足りないところには先生が。
3人の候補者の演説を聞いた感想やマニュフェスト内容を、大人を交えたグループ内で意見交換する。
投票結果解説を選挙管理委員会の市職員がする。
効果 生徒たちにとり、地域の課題について大人と共に考える機会となり、また選挙で何が大切なのかを理解するきっかけとなっている。国政選挙では、90.8%の投票率だった。有権者・主権者教育に大きな効果を発揮している。
説明を受けた感想と所見
準備が大変だが、地域のNPO法人の協力を得ているので、先生型の負担が少ない。候補者が生徒なら、当選しなかった生徒は傷つくが市職員なので、心のケアは不必要。マニュフェスト作りに、生徒、議員、市職員、サポートする緑塾スタッフ(地域の大人)の4者が関わっているのが、非常に重要だと思った。地域の課題・将来を高校生と共に考える機会となっている。また市の職員研修にも役立っている。
市議会が4者で作られたマニュフェストを議員の一般質問に取り込んでいるかどうかは、議会訪問がかなわなかったので(申し込んだが、5人以上の視察研修でないとダメと言われた)よく分からないが、市政や選挙に高校生が関心を持つことは議会にとっても有意義だと思われる。また個々の議員にとっても、高校生・若い市職員とマニュフェストを作る過程で、若者の意見や考えを聞く機会が持て、とてもよいやり方だと思う。
愛知県犬山市議会議長ビアンキ・アンソニーさんを訪問して、フリースピーチ制度など議会改革についてお聞きした報告 報告者 竹野昇
研修期日 1月17日 午前9時40分~11時10分
対応者 ビアンキ議長、柴山一生副議長、川瀬恵子議会事務局総括主査
最初に川瀬さんから「犬山市議会~議会改革の取り組み~」「市民フリースピーチ制度」と題した2種類の資料を基に説明を受け、そのあとビアンキ議長及び柴山副議長との質疑応答・懇談した。犬山市の議会改革は、平成30年11月、第13回マニュフェスト大賞グランプリを受賞し、市民参加に重点を置き、議員間討議を経て議会の意見として行政へ提案・改善を求める仕組みを作り、成果を出したことが、全国的に評価注目されている。
平成29年5月にアメリカニュヨーク生まれのビアンキ・アンソニーさんが議長に就任し、日本の議会は当局に対し受け身すぎる、市民にとり役立つ議会にするために、「市民参加」「議員間討議」「議会の政策立案・政策提言力の向上」を通して、権限を最大限に発揮できる議会にしようと呼びかけ、議会改革委員会が設置され、具体的な改革が行われている。
市民フリースピーチ制度、女性議会、オープンドアポリシー(誰でも気軽に議長室に来て相談できる)、市民との意見交換会、親子議場見学会などがすでに取り入れられている。
市民フリースピーチ制度は、定例会開催期間に公募による市民7名が議場で議員に対して、市政に関して5分間自由に発言できる。すでに3回実施されているが、重要なのは市民の発言をただ聞くだけでなく全員協議会で市民発言を検討・意見交換をして、議会として当局に申し入れ書を提出し、さらに当局の回答を公開している点である。
成果の一つ。障がい者のフリースピーチがきっかけとなり、従来避難行動要支援者支援制度の名簿掲載に地域支援者2名の登録が必要であったのが、議会の申し入れにより1名でも可能になった。
市民発言を生かす
ため、常任委員会で対応したり、議員個人が一般質問で取り上げる、会派で検討する方法も取り入れられ、具体的にどのような対応をとるか報告書にまとめ、市当局に提出すると同時に発言者にも送付、議会ホームページに掲載している。
その後もフォローが必要な課題については、常任委員会・議員個人の一般質問・会派対応・有志グループ対応で、当局の対応確認と協議した結果や進行状況を公開するようにしている。
【 感想・所見 】
ビアンキ議長は議員間の自由な意見交換が大切だと強調されたが、全く同感である。市民発言だけでなく、議員個人が一般質問した内容が市政にとり重要な課題であるなら、会派にとらわれず議員全員が話し合い、市当局に改善を申し入れる。議員個人や会派の力は弱いが議員20名で構成する議会の総意としての政策提案・意見申し入れは、市当局も無視できない。結果として議会の力・議員の力を高める。
市民フリースピーチの議会では毎回傍聴席が満席となるぐらい、市民が市政や議会に高い関心を寄せているが、袋井市議会の傍聴席も満席となるぐらい、同様な制度導入に向け議会として検討をお願いします。
森町と袋井市議会合同での研修会にビアンキ議長を講師としてお招きすることを提案します。
福島スタディツアー報告会のご案内
時:1月20日(日)午後2時過ぎ
所:袋井南コミュニティーセンター2階大会議室
(中央公民館に併設。JR袋井駅から南東方向へ徒歩7分。駐車場有
電話 43-3386 住所 袋井市高尾754-1)
昨年8月28日から30日まで、UPZ市民団体交流会の企画で、福島県二本松市の浪江町仮役場、飯館村、南相馬市、浪江町、大熊町、いわき市を訪問してきました。 報告会では、訪れたところの写真をパワーポイントで映し出しながら、浪江町役場職員のお話し、飯館村長谷川健一さん宅を訪問し、そのあと案内してもらった村の状況、南相馬市前市長・桜井勝延氏のお話しを聞いた状況、浪江町の復興状況見学、大熊町復興拠点・大河原地区事務所で町役場職員から説明を受けた内容、いわき市県営復興住宅団地・宮沢自治会の人たちとの交流、小名浜漁業協同組合を訪問し漁民から説明を受け、施設を見学した内容などを、報告します。
浪江町・大熊町役場でもらった資料も配布します。入場無料。福島の今を多くの方に知っていただきたいと思っています。報告者は竹野。
浜岡原発を考える袋井の会の総会を1時半から行いますので、報告会の開始時間は多少ずれるかもしれません。終了は3時半ごろ。
主催:浜岡原発を考える袋井の会
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